Lust | ナノ

指先が頬に触れると、それだけで何かスイッチが入ったかのようになまえの表情が熱を帯びる。
ソファに深々と腰掛ける龍司の足を跨いで座ったなまえのとろりとした瞳に見つめられ、それだけで龍司は欲情しそうになる。
それでも己の欲をぐっと堪えると、ゆっくりとなまえと顔を近づけながら龍司の唇がなまえの唇を塞ぐ。
指先に触れる頬の感覚も、唇に触れるなまえの唇も、自分のそれとは異なり柔らかく心地よい。
五感全てでなまえを堪能するように、龍司の身体中の神経が冴え渡って行く。


「なまえ…」
「っ、ん…龍、司さん」
「なまえ、離れんなや…」


酸素を求めて唇を離そうとするなまえを、龍司の大きな手が引き止める。
後頭部に回された掌に引き寄せられ、互いの唇が深くまで重なり合った。
なまえの咥内に差し込まれた龍司の舌先は無遠慮に中を掻き回し、弾む息の合間になまえの甘い声が混じり始める。


「りゅ、じさん…っ、」
「…なんや」
「も、っ…」
「ええやろ…?もう少し、わしを楽しませてくれや」


鼻先をくっつけたままでにっと口角を上げて笑う龍司を目に、なまえの心臓はきゅっと締め付けられる。
今度は自らねだるように龍司の唇を奪うと、なまえは細い指を龍司の金色の髪に絡みつけながら抱き縋った。
時折唇を離しながらなまえを伺う龍司の目はどこか物欲しそうで、その欲情した瞳を押し殺そうとしながらの口づけになまえは目眩を覚えた。
整えられた金髪からほんのりと香る整髪料の香りすらも、なまえにとっては身を焦がすような愛おしさを与える材料でしかない。


「龍司さん、っ」
「…ん?」
「好き、です…大好き…っ、」
「ああ…わしもや」


なまえの頭を撫でる優しい手つきにうっとりと酔いしれながら、なまえは龍司の熱を求めて舌先を差し出した。
ぬるりとした粘液から伝う熱だけで、なまえの膣壁は簡単に収縮を始めてしまう。
全身が既に龍司から与えられる刺激を覚えているせいか、触れられるだけでなまえの身体は龍司を求めてしまうようになってしまっていた。


「も、っと…」
「もっと、なんや?」
「触って…龍司さん、っ」
「そんなん、言われんでも…」


いくらでも触れたる…。
耳朶を舐られながら鼓膜を擽る低音に、なまえはびくりと身体を震わせた。
もどかしい刺激に待ちきれず再び自ら龍司の唇を奪うと、なまえを包み込んでいた大きな手がそっと服を乱し始めるのだった。

Baby come get me.

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