Lust | ナノ

「どこ行くんや…」


喉の渇きに目を覚ましたなまえがベッドを出ようとすると、大きな手がなまえの腕を掴んだ。
驚いて隣に眠る龍司の方へと視線を向けてみるが、突っ伏した龍司の横顔は目を閉じたままである。


「ちょっと喉が渇いたから…」
「そうか…」


なまえを掴んでいた手がするりと解けたのを確認すると、なまえはベッドを降りて暗い室内を静かに歩いた。
冷蔵庫からミネラルウォーターをコップに一杯分注いで飲み干すと、その頃には視界もだいぶ暗闇に慣れてきたようである。
コップをシンクに置いたままでまた静かにベッドルームまで戻ってみると、龍司の大きな身体のシルエットが微動だにせず横たわっているのが良く見える。
龍司を起こさぬようにそっと彼の隣へと身体を滑り込ませていると、なまえの身体は突然鍛え上げられた逞しい腕によって捕らえられた。


「…遅いで」
「ごめんなさい、起こしちゃって」
「ええねん、一人寝しとってもつまらんからな」
「龍、ん…」


言葉を紡ぐより先に龍司に唇を塞がれて、なまえはうっとりと瞳を閉じた。
ほんの数時間前に何度も身体を重ねたというのに、口付けられただけでなまえの身体は龍司を求めてしまう。
頬に添えられた大きな手から伝わる温もりが心地よく、なまえは無意識に龍司の背中へと腕を回していた。


「ホンマ…なんぼ抱いても抱き足らんわ…」
「っあ、」


龍司の唇が首筋を伝い下りるだけで、なまえの唇からは吐息が漏れる。
寝巻きとして纏っていた大きめのシャツの裾から侵入する熱を持った指先がなまえの胸へと到達し、其処を緩々と揉みしだかれるだけで甘い痺れが全身を巡った。


「綺麗やで、お前の身体」
「龍司さんっ…」


シャツを捲り上げ、なまえの胸の突起を口に含みながら、龍司の手はなまえの下着を脱がしにかかる。
なまえの秘所が露にされたのも束の間、熱を帯び始めた其処に龍司の唇が下り落ちていった。
たった一度、音を立てて肉芽に吸い付かれただけだというのに、なまえの頭は真っ白になった。
その突起を龍司の舌先が何度か舐め上げただけで、もう中からは蜜が溢れ始める始末である。


「堪らんな…エエ匂いや」


息をするのも忘れて、なまえの両手が龍司の頭を押し退けようとするが、龍司はなまえの其処からピクリとも動かない。
わざと卑猥な音を立てながら過敏になった肉芽を甘噛みし、まるで飴玉でも転がすかのように龍司の舌先で秘部が遊ばれる。
龍司の口に含まれた其処から全身にくまなく走る痺れがなまえの背中を大きく仰け反らせても、龍司が唇を離そうとしなかった。


「や…っ、いやっ」
「っ、なまえ…」


大きく跳ねるように痙攣する身体がようやく解放されると、酸欠状態の頭はすっかり思考を停止していた。
ぱちぱちとなまえが瞬きをした途端に、なまえの目尻からは涙が伝い落ちる。
荒く呼吸を繰り返すだけのなまえを覗き込む龍司は、どこかバツの悪そうな顔をしてなまえの頬を濡らしたひとしずくを指先で拭った。


「加減が判らんようになってもうた…」


すまなそうにしながらも、熱を孕んだ龍司の身体は正直になまえの太腿へと己を主張して止まない。
大丈夫、そう答える代わりににこりと微笑みかけてみれば、安堵の溜息を吐きながら龍司の雄が入口を探り始めた。

熱い鼓動が止まらぬように

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