Lust | ナノ

おずおずと唇を寄せると、それだけで低く呻く声が漏れた。
僅かに差し出した舌先で桐生の先端を舐めると、舌先に触れた其処は熱くなっていた。
ただなぞるようになまえの舌先が揺れ動くだけで、頭上から漏れる吐息が荒くなる。
するすると根元までなまえの舌先が下ると、ほんの一瞬だけ桐生の腰が揺れた。


「なまえ…」
「…っん、」


桐生の手がなまえの頭を撫でる。
髪を掻き分けるように何度も頭を撫でられるだけで、触れられていないなまえの其処にまで熱が孕んだ。
ベッドに腰掛ける桐生の顔は、その足元に屈んだなまえには見えないが、何度も髪を梳くその指になまえは愛おしさを感じた。
何度も舌先を根元から先端へと往復させ、頭を上下させる。
桐生の口から吐息が漏れるだけで、なまえは至福を感じるのだ。
舌先を這わせ、はち切れそうな先端を執拗に舐めると、ぬるりとした感触が感じられた。


「お前…」
「…っえ、」
「どこで覚えたんだ、そんなこと…」


唇を其処から離さぬままで見上げると、眉間に皺を寄せた桐生と目が合った。
愛おしさに駆られて胸が高鳴り、桐生の問いかけに応えぬまま、なまえは桐生の雄を口に含む。
ころころと転がすように舌先を蠢かせながら、僅かに其処を吸い上げる。
滑りを帯びた熱が先ほどよりも舌先に絡み、なまえはそこに嬉しさを覚えた。


「…っ、は…」


悩ましげな声がなまえの耳を擽る。
精一杯桐生の雄を口に含んでも、質量を増した其れをなまえは半分も咥え込むことは出来ない。
それでも頭を上下させながら賢明に欲を吐き出させようとするなまえに、桐生は心底愛おしいと感じた。
なまえの与える刺激に物足りなさを感じていないわけではないが、何よりなまえが己の其れを咥えて舌を這わすその姿が、桐生を欲情させる。


「なまえ…もう、いいぞ」
「ん…でも、」
「いいから…来い」


なまえをベッドの上へと引き上げると、桐生の指がなまえの中を探る。
すでにとろりと熱を帯びた其処に緩やかに指を絡ませながらなまえを覗き込むと、すっかり蕩けた瞳でなまえは桐生を見つめ返した。


「俺のを咥えながら濡らしたのか?」
「っあ…」
「ん?どうなんだ?」
「や、だ…桐生さんっ、意地、悪…」


泣き出しそうな顔できゅっと瞳を閉じるなまえに、桐生はふっと笑みをこぼした。
少しずつなまえの中を犯す指先に激しさを増して行きながら、桐生はなまえに口付ける。
早く繋がり合いたい気持ちを堪えながら、桐生はびくびくと震えるなまえを愛おしいげに陵辱するのだった。

熔けてしまいそうなほど

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