Lust | ナノ

震える吐息が反響して、思った以上に大きな音となって耳に響く。
バスルームのタイルに尻をついて座るなまえは、胡坐の渡瀬の足の間で何度も小さな身震いをした。
互いに全身泡だらけで、なまえの身体はと言えば渡瀬の手によって隅々まで現れている状態であった。
ぬるぬると滑る無骨な手が撫でるように全身を這い回るだけで、なまえは全身が痺れそうなほどの快楽に包まれていた。


「身体洗われとるだけでそないな声出さんでもええやんか」
「だ、って…ぁ、」
「ワシに触られるんがそんなにええか」


機嫌よくクツクツと笑う渡瀬はなまえの胸を執拗に揉みしだく。
両手で胸を鷲掴みにしながら、指先は器用にも頂に硬さを増した突起を弾くように触れ続けていた。
抵抗しようと渡瀬の手を掴んでも、泡に塗れたなまえの手はその横暴を止められるはずもない。
それどころか、両手を後ろに持って行かれ、既に硬くなっている渡瀬の熱杭を後手に包み込むように掴まされる始末であった。


「もっと気持ち良ォなりたいんやったら、どないしたらええか判るやろ」
「ったせ、さ…っあ、」
「なまえ…そのままコッチ向いてみ」


渡瀬に促されるままに首だけで振り返ると、奪われるように渡瀬から口づけが齎された。
強引に舌を絡め取られ、全身に指を這わされながら胸の突起を弄ばれるだけで、バスルームに反響する淫らな声はボリュームを上げた。
後手に回された両手で懸命に渡瀬の雄を扱きながらも、なまえは咥内で暴れ回る渡瀬の舌先を受け止めるだけで呼吸が乱れる。
一番熱くなった場所へは一度たりとも触れられていないのがもどかしいのだが、なまえには渡瀬の言葉を信じて彼の雄を刺激する以外に道はない。


「もう我慢でけへんほど欲しなってきたか?」
「っ、はい…も、っん…」
「ほんなら、いっぺん泡流そか」


渡瀬の右手がシャワーヘッドを掴んでスイッチを押すと、勢い良く温水がなまえの身体に浴びせられた。
全身を愛撫するように走る渡瀬の指先は相変わらずのまま、ぬるぬるとした感触だけが徐々に洗い流されてゆく。
同じように渡瀬も自身の身体にざっとシャワーを浴びせると、湯を止めて再びなまえの身体を抱きとめた。


「ん…?いっぺんも触ってへんのに、なんでなまえの此処はぬるぬるしとるん?」
「ッあ…、っあ、や…」
「泡やないなぁ…。なぁなまえ、これ何なん?」
「渡…渡瀬さ…っ、」
「ほれ、指一本軽々飲み込みよって」


根本まで渡瀬の中指を咥え込んだ柔らかな肉壁は、軽く数回抜き差しをされるだけできつく締まってしまう。
ちゅぷちゅぷと音を立てながら出入りを繰り返す渡瀬の指に、なまえは全身が総毛立つくらいのぞくぞくとした感覚に襲われる。
膣内で大きく円を描くように指を掻き回されると、容易く一度目の絶頂がなまえに訪れた。


「ええ声が良ォ響くな」
「や…、だっ…恥かし、っ」
「そないな事言うてられへんくらい、今から鳴かしたるわ」


両手ついて四つん這いなってみ。
耳元に優しい声音で囁きかける渡瀬の命に従って、なまえは両手をついて渡瀬へと腰を突き出した。
なまえの入口から溢れ出た愛液を己の雄に擦り付ける渡瀬の動きにすらもびくびくと身体を震わせながら、猛り膨張した其れが押し込まれる快楽を待ち侘びるようになまえは目を閉ざした。
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