Lust | ナノ

濃紺のエプロンは柏木のもので、なまえには少々大きすぎるサイズだった。
背中で結ばれていた紐はだらりと解け、なまえはというと泡だらけの両手でシンク台に縋るようにしがみ付いている状態である。
食事を終え、食器を洗っていたのは本当につい今し方の事。
だが現在はその手も止まり、部屋に響く音といえば己の淫猥な喘ぎ声だけである。


「っ、あ…や、ッ」
「ん…」


そんな声出して、どうした?
判りきった質問をする柏木の表情は背後にいる為になまえには判らなかったが、意地の悪い表情を浮かべているのであろう事だけは容易く想像がついた。
なまえの肩口に顎を置いて後ろから抱き締める柏木は、つい数分前までは泡立てたスポンジで食器を洗うなまえの手元を覗き込んでいただけだというのに。
今や彼の手はするするとなまえの秘所を下着の上から何度も何度もなぞり上げ、ひくひくと動くなまえの反応を楽しんでいるのだ。


「食器、洗わないのか?」
「っ、だ…って、柏木さんが…っあ」
「俺がなんだ?」
「そん、なとこ…っ触る、から…」


ぎゅうっと両脚を閉じていても、その程度の抵抗は柏木にとっては無いに等しいものでしかなかった。
骨ばった指先は下着の隙間から直になまえに触れ始め、既に身体の奥の方に熱を帯び始めていたなまえの身体は僅かの刺激でも柏木の指先を濡らす様であった。
柏木の第一関節が小刻みに折り曲げられるたびに、なまえの蜜壷の入口はくちくちと粘質な音を立ててしまう。
あまり激しく柏木に突起を擦り上げられると、それだけでなまえは内股気味のまま膝が震えだすのを止める術はなかった。


「も、っ…んん、っ」
「厭らしいな…こんなにして」


滑りを帯びた体液を纏った柏木の指は、易々となまえの入口を往復する。
そのたびにとろりと溢れ出すなまえの蜜が淫靡な音を紡ぎだし、快感が脳髄まで電流のように流れる。
シンクを掴んだまま刺激に耐え切れなくなったなまえの上半身ががくんと崩れ落ちると、ちょうどそのタイミングを見計らったかのように柏木の膝がなまえの両脚の間に滑り込むように割り入った。


「なんだ、もうそんなになっちまったのか?」
「ひ、ァ…っ、かし…っ」
「すっかり奥まで濡れちまったな」
「や…だ、こんな半端に…止めない、っで」
「もっと欲しいのか…?」


だったら、早く全部洗わねぇとダメだろ?
なまえの首筋にキスを落としながら告げる柏木に、堪らずなまえは振り返りながら懇願するような視線を向けずには居られなかった。
もう十分過ぎるほどに柏木の手によってその気にさせられた身体は、今以上の刺激が欲しくて仕方がない状況まで陥っていた。
指だけでは届かないほどの奥深くに刺激が欲しくて、おあずけをさせられるのは耐え難いものがあった。


「おね、が…っ、ん」
「ん…?今日はやけに素直に欲しがるんだな」


くすりと嬉しそうに笑うと、柏木は既に固くなった自身のそれをなまえの腿へと押し当てながら、なまえの下着を脱がせ始める。
左脚が下着から外れると、なまえの右足首の辺りに愛液で微かに濡れた下着がすとんと落ちた。
なまえの腰を掴んで引き寄せる柏木に導かれるままになまえの両脚が2歩ほど後ろに後退すると、なまえはシンクを掴んだまま柏木に腰を突き出すような体勢を取らされた。


「最後までちゃんと立ってろよ?」
「っあ…や、あっ…」


いつの間にかスーツのファスナーを下ろしていた柏木は、中途半端に下着を下げた状態で器用に反り立った雄を取り出すと、その先端をなまえの入口へと擦りつけた。
くちゅくちゅと音を立てながら入口を押し広げてゆく肉塊の感覚に、息が詰りそうなくらいの快楽が押し寄せる。
ゆっくりとなまえの膣壁に突き立てられる熱の感覚だけで頭が真っ白になってしまうなまえを嬉しそうに見つめたまま、柏木がじわりじわりと腰を押し進めてゆく。
遠くから聞こえてくるテレビの音だけが、やけになまえには非現実的なものに思えてならなかった。
die Küche

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