Lust | ナノ

くたっと力の抜けた身体は、意図せずとも大きく跳ね上がりながら痙攣を繰り返していた。
冴島の雄との接合部がやたらと熱を帯びていて、ちょうど腹部の辺りがひくりひくりと揺らいでいるのが判った。
頭が真っ白になってしまうほど心地良い快楽の波は、一度押し寄せるといつまでも余韻を残してなまえの中に留まる。


「滅ッ茶腰跳ねとるな…」
「やだ…っ、恥かし…」
「恥かしい事あらへん、可愛ェで」


大きな身体が圧し掛かるように接近してきたかと思うと、なまえの唇に冴島のそれがふわりと重なった。
その大柄ながたいと強面な様からは想像もつかないくらいに優しく啄ばむように触れる口づけに、達したばかりのなまえの身体はすぐさま熱が戻る。
もっと近くに冴島の存在を感じたくて、なまえは両手で彼の坊主頭を包み込むようにして引き寄せずには居られなかった。


「っ、ん…冴、島さ…」
「なんや、おねだりか?」
「も…凄く、好き…っ」


己の両脚が無意識のうちに冴島の腰に纏わりついている事にも気付かぬまま、なまえは夢中になって冴島の舌先に自身の舌先を絡めていた。
もう少し先ほどの絶頂の余韻に浸っていたいような、更なる刺激が欲しいような、いずれにしても幸せな感情がなまえの胸を満たしていた。
なまえの体内に肉塊を埋めたままの冴島は決して動こうとせず、ただなまえの求めに応じて口づけだけを繰り返す。


「なまえ、そのまま掴まっとき」
「ん…っあ、やっ」


冴島の首に縋りついた状態のなまえは、強い力に引き起こされて堪らず声を漏らした。
膝の裏に宛がわれた逞しい冴島の両腕がなまえの身体を抱き上げ、大きな掌がなまえの臀部を優しく包み込む。
ベッドの上に膝立ちのまま、冴島がとったのは駅弁と呼ばれる体位であった。
僅かに沈み込んだなまえの身体の奥深くに冴島の雄が押し込まれ、それだけでなまえの膣壁が反応を示してしまう。


「っ、なまえ…今ごっつぅキツなったで」
「や…っ、んァ…っ」
「落ちひんように、しっかり掴まっとくんやで」


耳に向けてわざと低く囁く冴島の声が、ぞくりとなまえの背筋を粟立たせる。
互いの身体を密着させたままで腰を揺らす冴島の動きに合わせて、なまえの耳には愛しい人の微かに乱れた吐息が掛かる。
大きな動きではなく、小刻みに速度を増して行われるピストンは先程までとは比べ物にならないほど深くまでなまえの中を突き上げてゆく。
一度目よりも圧倒的に早く上り詰めてゆく身体をどうすることも出来ず、なまえはただただ冴島に強くしがみ付くしかなかった。


「イ、ッ…あっ」
「またイくんか…なぁ、なまえ…」


勝手にイったらアカンで。
どんどん荒くなる呼吸の合間に囁かれた言葉に、堪らずなまえの身体に力が入る。
冴島が腰を揺らすたびに響くグチャグチャとした卑猥な音も、耳に掛かる吐息も、呼吸の間に漏れる呻き声も、全てがなまえの気持ちを昂ぶらせてゆく。
低い声が何度か苦しそうに声を漏らすのが、彼が自分の中で感じてくれている証にも思えてなまえはその声にすら膣壁が痺れてしまう。


「冴島、さ…っ、一緒に、ッん」
「っ嗚呼…なまえン中で全部、出すで…っ」


密着し合った互いの身体は、汗でぬるりと滑りそうな程だった。
冴島の肉塊がなまえの中に速度を増して打ち込まれれば打ち込まれる程、なまえの膣内は意志とは別に強く冴島の熱を咥え込んでゆく。
だんだんと力が入らなくなる身体で懸命にしがみ付くなまえの口からは、最早蜜声以外聞かれる事はなかった。


「ッんん…っあ、」
「…っ、は…」


最奥を深々と突き上げられ互いに絶頂を迎えると、漸くなまえの背中がベッドの上へと沈む。
膜を纏っていても判るほど冴島の熱が脈動しているのを感じられるのは、なまえにとって至福だった。
なまえの胸元にぴたりと顔をくっつける冴島の額には、玉の汗が滲んでいた。


「アカン…直ぐ出してもうた…」
「な、んっ」
「なまえン中、ホンマに滅ッ茶気持ちええわ…」


繋がり合ったまま未だに雄を引き抜こうとしない冴島からの言葉に、なまえの頬が火照る。
ふと顔を逸らしたなまえにくすりと笑う冴島の声が、一層なまえに照れくささを齎した。
Krampfen

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