Lust | ナノ

「や、っ…」
「…いいのか?声出して恥かくのはテメェの方だぞ?」


ぎゅっと結んだ唇に手の甲を押し当てながら、なまえは必死に声を押し殺す。
耳を舐るようにしながら囁きかける杉内の低音に、否が応にも身体が反応を示してしまう。
くぐもった悲鳴を懸命に飲み込みながら耐えるなまえの鼓膜を揺さぶる杉内の吐息が、身体を熱くさせてならなかった。


「時間がねぇから慣らしてやれねぇぞ?」
「ぅ…っ、んん…」
「壁に手ェ付いて、こっちにケツ突き出せ」


乱暴に身体を反転させられると、なまえの両手が壁に押し付けられる。
後ろから体重を預けるように杉内の身体が重ねられると、なまえの首筋にぬるりとした感触が押し当てられた。
唇の隙間から押し出された舌先がなまえの首筋を這い回り、背後から回された指先は下着をずらしながらなまえの濡れた秘所へと押し込まれた。


「っ、ふ…ん、んん…」
「…なんだ、ぐしょぐしょじゃねぇか」


慣らす必要なんてなさそうだな。
蔑むようなからかうような口ぶりでなまえの耳元に囁くと、杉内は既にいきり立っていた己の肉塊をなまえの背後から押し込み始めた。
先端から一気に埋め込まれた熱に耐え切れずになまえが背中を逸らせて達してしまうと、杉内はなまえの細腰を抱き締めたままで脈打つ彼女の膣壁の感覚を楽しんだ。


「この程度でイってんじゃねぇよ」
「っ、杉…内さ、」
「どんだけ咥え込んでんだ、テメェの此処は」


律動と同時になまえの首筋に歯を立て、杉内はくつくつと喉の奥で笑う。
壁越しに聞こえる職場の喧騒と、押し殺しても尚漏れるなまえの弾む吐息の中、杉内が腰を打ち付ければ打ち付けるほど互いの結合部からは卑猥な音が部屋中に響き渡る。
埃っぽく薄暗い資料部屋での行為になまえがいつも以上に興奮しているのが見て取れるだけで、杉内の口元には嫌味な笑みが浮かんでならなかった。


「ん…っ、あ…っ、も…」
「まだ早ェ……」


早い動きでなまえの中を掻き回す杉内の雄を、ビクビクと震えながらなまえの肉襞が締め付ける。
あっけないほどの速さで二度目の絶頂に震えるなまえの事などお構いなしにピストンを繰り返す杉内は、下着越しにも判るほど存在感を主張するなまえの秘所の肉芽に指を這わせ始めた。
崩れ落ちてしまいそうになるなまえの身体を支えながらも、ピストンと同時に指先で肉芽を転がす事は止めず、敢えて普段よりも強い刺激を杉内はなまえに与え続けた。


「ん…っ、んん…、」
「っほら…さっさとイっちまえ」
「ひ…ッあ……っや、っ」


目に見えて判るほどに大きく身体を震わせて達したなまえの身体を抱きとめながら、杉内はスパートをかけるように速度を増してなまえの膣壁に己を捩じ込んだ。
いつもよりも早い絶頂は杉内も同じで、時間が無い事以上に残業中の職場に無理矢理彼女を呼び込んで及んだ行為と言うのが一層杉内を欲情させていたのはいうまでも無い事だった。
なまえの中で残らず吐精すると、杉内はその余韻を楽しむでもなくずるりとなまえの中から膜を纏った己の雄を引き抜いた。


「っ、ほら…舐めろ」
「んぅ…っ、」


なまえをその場に跪かせると、杉内は薄膜を外した雄をその唇に押し込んだ。
素直に丹念に杉内の雄に残った精液を吸いだそうと健気に舌を這わせるなまえを見下ろしながら、杉内は少しだけ弾んだ呼吸を静かに整えた。


「もういい…立て」
「っあ…杉、」


今度は無理矢理なまえの腕を引っ張り上げて壁に背を預けるように立たせると、代わって杉内がなまえの足元に膝を付いた。
片足を持ち上げるように担ぎ上げると、杉内はずれたまま役目を果たさない濡れた下着へと顔を寄せた。
舌先を伸ばしてなまえの濡れそぼった肉壁を音を立てながら何度も舐め上げると、なまえの身体を支える片足が悲鳴と共に震える振動が杉内にも伝わった。


「暫くはまた、テメェに会ってやる時間は取れねぇからな」
「杉、内さ…っ」
「…さっさと帰れよ」


己の身なりを手早く整えながら告げると、呼吸を乱したままのなまえが静かに頷く様が視界に入った。
ぽん、となまえの頭を撫でた後でくるりと背を向けると、杉内は名残惜しさを振り切ってゆっくりと資料部屋を後にするのだった。
限られた逢瀬

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