Lust | ナノ

「龍司さん、っ」
「なんや…甘えた声出しよって」


にぃっと口角を上げて笑う唇に、なまえは吸い寄せられるようにキスを落とす。
肌蹴た龍司の素肌はすっかり火照っており、その逞しい胸板に置いた手に伝わる彼の体温になまえは胸が締め付けられた。
何度も強請るように口づけを落とすなまえを受け入れる龍司は、いつもであれば自ら主導権を握ろうと舌を絡ませてくるのに、今日はそんな素振りを一切見せない。
下着姿で龍司の下腹部に跨りキスを繰り返すなまえの腰の辺りに遠慮がちに手を添えたまま、龍司は微かに口元を緩ませて笑うだけだった。


「っ…ね、龍司さん…」
「ん?」
「あの…ね、もっと…触ってください」


ふっと吐息を漏らして笑う龍司は相変わらずベッドにごろりと横になったまま、なまえの腰に優しく触れるだけだった。
嬉しそうに笑顔を浮かべておきながら何もしてくれない龍司に、なまえは焦れる気持ちを抑えられずにぎゅっと唇を結ぶ。


「おねだりされるんは嬉しいけどなぁ…今日はやらんで」
「っ…あ、」
「なまえが好きなだけわしに触ったらエエわ…な?」


脇腹を這い上がる龍司の指先が段々と頬まで駆け上がるのを肌に感じ取るだけで、なまえの背中にはぞくりとした震えが走った。
大きな右の掌が頬をなまえの左頬を包み込むのが無性に嬉しくて、その手に思わず頬ずりするように擦り寄ってしまう。
刺激を与えてくれない事へのもどかしさよりも、自分が龍司に触れたいという気持ちが溢れ出し、なまえは気恥ずかしさも忘れて龍司の首筋へと顔を埋めた。


「っ…、こそばゆいわ…」
「んっ…」


いつも自分がされているように龍司の首筋をするすると舌で這い上がりながら、指先は金色の髪へと伸びる。
擽ったそうに時折首を竦めてなまえの舌先を逃れようとする龍司の動きが、普段見られないせいかとても愛おしく感じられた。
耳の輪郭をなぞるように唇を寄せ、龍司の口から零れる吐息を感じているだけで、なまえの身体も火照りだす。


「エロい女やな、なまえは…」
「龍司さん…」
「もっと、出来るやろ?」


誘うような言葉を耳元に囁く龍司の誘惑に唆されるように、なまえはドキドキと煩い心臓を抱えたままで龍司の厚い胸板へと唇を向かわせる。
鍛えられた胸筋の上に存在を露にする蕾を口に含みながら舌先で転がすと、びくりと大きな身体が戦慄いた。
その反応が嬉しくて何度も何度も舌を這わせると、行為に感じてくれている低い呻き声がなまえの鼓膜を震わせる。


「龍司さん、っ…可愛い」
「阿呆、っ…何言うとんのや」


くしゃりと髪を撫でられるだけで、なまえの胸には幸せが込み上げる。
咥内で龍司の胸の突起を転がし続けたまま、なまえは跨った彼の下腹部の熱を下着越しに感じ取るのだった。
その手で触れて

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