Lust | ナノ

唇を塞がれながら肌の上を這い回る峯の指先を感じ取っていたなまえの身体は、既に苦しいほど胸を高鳴らせていた。
峯を好きだと言う気持ちが身体の中で留めておく事が出来ず、外へ外へと溢れ出ようと心臓を内から押し広げているようだった。
息苦しさすら覚えるのは、この鼓動が身体を突き破って出て行くことが出来ないからではないだろうかと、なまえは峯の愛撫を受けながらそんなことを考えていた。


「峯、さ…っ、」


もっと直接的な刺激が欲しい…。
全ての神経を峯の指が走る場所に集中させていても、なまえにはこの刺激が物足りなくて仕方がなかった。
胸の突起を掠めるその指を、本当はもっと熱くなった場所に埋めて欲しいのだ。
峯の与えてくれる刺激がもっと欲しくて、なまえは耐え切れずに自ら彼の舌先に貪りついた。


「…今日は随分と、欲しがりますね」
「っ、だ…って、」
「こういう貴女も…可愛いですよ…」


口の端を吊り上げて笑う峯が、ようやくなまえの下半身へと手を伸ばす。
もじもじと擦り合わせるように閉じていた内腿の隙間に割り込まれた指先の感覚に、なまえはびくんと身体を竦ませた。
ただ内腿に触れられただけだというのに、峯が欲しくて欲しくて仕方がなかったなまえにとってはそれだけの刺激すらも期待で大きな反応を示してしまうほどのものであった。
耳元に口づけを落とす峯から、くすりと吐息が笑みを零したのが伝わる。
内腿を這い上がる指の感覚に痺れながら、ようやく訪れる快楽への期待を待ち切れずになまえは峯の名を繰り返し呼んだ。


「…っ、嗚呼」
「ん、あ…」
「いつからこんなにしてたんです…?」


意地の悪い問いかけと共に、湿った下着が峯の指でなぞられる。
肉の割れ目に沿って往復を繰り返す峯の指先は、まるで下着ごと蜜壷に侵入を果たそうとするかのようになまえの中へと押し込まれてゆく。
濡れた下着が秘所に張り付くような感覚は不快なものなのに、峯に触れられて居るというだけで其処が濡れているという事実が一層なまえに快楽をもたらす。


「俺が触れる前からこんなに濡らしているなんて…あんたは本当に淫乱な女だ」
「っ、あ…やっ…、」
「ほら…なじられても感じるんだろ…?」


本当に、あんたが可愛くて仕方がないですよ…。
目を細めてなまえに囁きかける峯の眉間に刻まれた皺が、余裕無く歪む。
もう一秒たりとも待っていられないと言わんばかりに激しく唇を奪う峯の舌先に、なまえはそのまま溺れてしまいそうな錯覚を覚えた。
峯に口づけられただけで、もうなまえの身体などいとも簡単に峯を受け入れる体制を整えてしまうのだ。
それほどまでになまえが峯を欲して止まないのだという事を、その身体は判りやすい方法で彼に伝えていた。


「もう中に欲しいんでしょう…?慣らしてませんけど、直ぐにあげますよ」
「ん、あ…っ…、っん」
「厭らしいな、本当に…」


下着の隙間から滑り込んで来た峯の中指が、なまえの中に根元まで捩じ込まれる。
待ち侘びた刺激に身体を仰け反らせるなまえの耳元で、峯の吐息が震えた。


「指の一本程度で、そんなに善がってんな…っ、」
「峯、さん…っ」


早く俺を、受け入れてくれ。
低い声が告げた言葉を耳に、なまえの蜜壷はまたもどろりと熱を零すのだった。
mine.

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