Lust | ナノ

おやすみなさいと告げてベッドに沈んだ身体が、気付けば峯の腕の中で包まれていた。
背中に触れる胸板と項を擽る唇に、なまえの目は睡魔を忘れて冴え渡っていた。
時折峯がもぞもぞと身じろぐと、否が応にも腰の辺りに熱塊を感じずには居られない。
結局大きな峯の手にきゅっと抱き縋ってしまうあたり、自ら抱いて欲しいと告げているようでなまえは気恥ずかしくもあり待ち遠しさもあった。


「なまえさんは、良い香りがしますね」
「っ、ん…」
「此処、くすぐったいですか?」
「…はい、っ」

素直に答えたなまえに待っていたのは、くすりと吐息で笑った峯からの口付けだった。
項に吸い付き、ちろちろと舌先を這わせる峯の愛撫になまえの身体がびくびくと跳ねる。
苦しいほどに抱き締められていても、峯の舌先が這い回るたびにその腕の中で身体が幾度となくひくつくのは止められなかった。


「なまえさん…貴女をもっと、堪能したい」
「峯、さ…っ、」
「此処も、触れて構いませんか?」


なまえの耳を食みながら峯が手を伸ばした其処は、寝巻き越しのなまえの秘所だった。
探るように指先で撫で上げれれるだけで、何かスイッチを入られたかのようになまえの身体が熱を帯びる。
弱い刺激でしかないものの、両脚の間に峯の手が挟まっているという状況だけで、唇からは火照った吐息が漏れてしまう。
峯の舌先が耳の中に差し込まれると、それだけで背筋が粟立つ。
身を捩って峯の舌先を逃れる事に必死になっていると、今度は指先が触れる秘所への刺激で身体がひくりと反応を繰り返す。


「逃げないでください。今日は、貴女の全てが見たい」
「や…、峯さんっ」
「なまえ…、もっと俺に強請ってくれ…。俺が欲しいと…」


首筋に走る痛みになまえの背中が仰け反る。噛み付かんばかりの勢いできつく吸い上げられた其処に、今度はぬるりとした感触が押し当てられた。
耳元に聞こえる峯の吐息が少しずつ荒さを含み始めただけで、なまえは子宮の奥が収縮するのを感じずにはいられない。
寝巻きの裾から割り込んだ手が直に太腿を撫で、段々となまえの中心へと向かって緩やかに肌を滑る。
直接欲しい場所へと向かってくれないそのもどかしさが、益々なまえを昂ぶらせている事を、峯自身は判っていた。
下着越しに柔らかな肉の割れ目をなぞり上げる峯の指は、その頂にある蕾に到達する前に再び元来た道を戻っていった。


「っ、ん…、あ」
「可愛い声だ…。もう、感じてくれているんですか?」
「そん、な…っ、」
「ほら…少しなまえの此処をなぞっただけで、貴女はもう腰が揺れている…」


本当は此処に触れて欲しくて、自分で腰を動かしていたんでしょう?
意地悪な言葉が降り注ぐと同時に、なまえは全身が一気に発熱するような感覚に見舞われた。
今まで敢えて峯が触れずにいた場所を微かに指先が転がしただけで、脳天が痺れるような甘美な刺激がなまえに襲い掛かる。
布越しの刺激では物足りず、直に峯の指で其処に触れて欲しいと懇願したくなるほど、なまえはすっかり焦れていた。


「峯さん…っ、お願い…」
「…なんです?」
「お願、い…もっと、」


いっぱい、触って…。
震える声が強請る言葉を耳に、峯は溜息を漏らす。
今この瞬間、なまえが背中を向けている事が、峯にとっては何よりも残念でならなかった。
なまえから香る女の香りを身体中に染み渡らせるかのようにすぅ、と息を吸い込むと、峯は乞われるがままになまえの内部へ続く入口に指をひとつ絡ませるのだった。
愛を乞う

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