Lust | ナノ

いざ抱こうとなまえのショーツに手を掛けたは良いが、どうにも様子がおかしかった。
なまえの瞳に浮かぶ恐怖の色に、一瞬渡瀬の手が止まる。


「なまえ、お前…」
「っあ…」
「…もしかせんでも、初めてやったんか……?」


びくっと竦んだ身体の反応だけで、それがもう渡瀬への返答となった。
泣き出しそうな表情を貼り付けたまま顔を逸らしたなまえに、渡瀬の口からは思わず盛大な溜息が漏れた。
下着姿にひん剥いたなまえに圧し掛かる渡瀬は、はち切れそうなほど熱を帯びてそそり立った雄を窮屈にスラックスの中に収めたままで、露にした上半身をなまえから引っぺがす。


「っ、ごめ…なさ、…っ、」
「ん?何謝っとんねん」
「だ…って、面倒なこと…」


じわりと滲み始めたなまえの瞳に、渡瀬は思わず口元を緩める。
好いた女の最初の男になれるなんて、これ以上ないほどの幸福感が渡瀬の体温を上昇させた。
ちゃうちゃう、となまえにぐっと顔を近づけると、渡瀬はまるで子供がするような触れるだけのキスをなまえに落とした。


「なまえが初めてなん知っとったら、ワシかてこないにガッつかんと順追って抱いたんやで?」
「渡瀬、さん…」
「なんやお前が誘うからやな…、ワシもアレや…、つい急いてもうたんや」


スマンなぁ、引っぺがすように脱がしてもうて…。
バツの悪そうな表情を浮かべる渡瀬に、思わずなまえはつられてくすりと笑みが漏れる。
その様子にようやく安堵したのか、はぁ、ともうひとつ溜息を漏らすと改めて渡瀬の上半身がぴたりとなまえの上に重なった。


「もっぺん、やり直しや」


にっと不敵な笑みを口元に湛えると、渡瀬は改めてなまえの唇にしゃぶりついた。
最初は探るように触れながら徐々に下唇を食み、薄っすらと開いた唇の間に舌を捩じ込ませてゆく。
時折震えながら零れるなまえの吐息の甘さにともすればストッパーが外れてしまいそうになるのだが、渡瀬は敢えてゆっくりとなまえに触れる。
モジモジと内腿を擦り合わせるように揺れる白く弾力のある脚にそっと触れると、キスをしながら渡瀬の指がするすると秘所めがけて走り出す。
ぴくりと跳ね上がる柔肌の初心な反応がいちいち可愛らしい。
だらしなく緩んだ口元を隠しきれぬまま、渡瀬の中指がつう…となまえの下着越しに割れ目をなぞり上げた。


「っあ…、」
「…エエ声しよる……可愛ェわ、なまえ…」


くつくつと喉の奥に込み上げる笑いが収まらぬまま、渡瀬の指は何度も柔らかな肉壁の間を往復する。
時々敢えてつん、と割れ目の頂にある蕾を弾いてみれば、なまえの反応ががらりと変わる様がなんとも言えずそそられた。
口づけを堪能していた唇を段々と首筋から鎖骨の方へと下ろしてゆけば、くすぐったそうにしながらもなまえの声には確実に艶が混じりだす。
舌先を出して肌を滑りながら辿り着いた膨らみの頂に下着の上から貪りつくと、びくりとなまえの身体が一際大きく跳ねたのが感じられた。
少し強めに割れ目の奥へと押し込んだ指先には、ほんの僅かに下着に蜜が染み込んだのが伝わる。


「なまえ、力抜いとくんやで」
「待っ…、あ…」


ショーツの隙間から割り込ませた中指をゆっくり押し込むと、渡瀬の指はねっとりと根元まで粘質な熱に包まれた。
まだ誰も受け入れた事のない其処は、たった一本の指ですら阻むように閉ざされたまま。
そんな感触ですら、渡瀬にはこの上ない至福を覚えずには居られないものであった。


「どや、初めて指咥え込んで…」
「っ、変な…感じが…っ、」
「も少ししたらなぁ、堪らんようになるで」


後から後から込み上げる幸福感が、渡瀬の口元をだらしなく緩ませてゆく。
慎重なまでにゆっくりと指を抜き差しを始めると、渡瀬はなまえの首筋に埋もれるようにその柔肌に吸い付くのだった。

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