Wrath | ナノ
(渡瀬@花札)


胡坐で座った足の間になまえを座らせると、後ろから抱きすくめるようにして渡瀬は手札を開いて見せた。
古風な柄の札は、なまえには何を意味するものかが良く判らない。

「ええか、表向いて場ァに並んどる札を手札つこて取っていくんや」
「同じような柄の札ならどれでも良いんですか?」
「まぁせやな。けど、役作らんとアガリ低うなってまうで」

うーん、と首を傾げて渡瀬の手の中にある手札を見つめるなまえに、渡瀬はくすりと笑みを漏らした。
たかが遊びでも真面目に耳を傾ける姿が、渡瀬にはなんとも愛おしく思えてならなかった。

「初めは…せやなぁ。赤短青短のあるモンと、あとは絵柄の多い札を取るようにしとったらええわ」
「じゃあコレとコレの組み合わせとか…どうですか?」
「お、それな、月見で一杯っちゅう手ェやで」

今のワシらと同じや。
ぽんぽんとなまえの頭を撫でて渡瀬が大きな窓の外に目をやると、綺麗な満月が明るく外を照らしていた。
手元にあるグラスの中のアルコールをひと呑みで飲み干すと、渡瀬はなまえの顎に手を添えてそっと唇を塞いだ。


***
ご指導ご鞭撻シリーズ
渡瀬の兄貴に花札を教えてもらおう!
胡坐の中に彼女を座らせたいだけ、そして後ろからぎゅっとしたいだけの話…笑。

Nov18 17:05


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