Wrath | ナノ
(柏木@ビリヤード)


「こう…少し重心を低くして」
「はい」
「ブリッジは不安定にならないように、人差し指の輪にキューを通して」
「こう、ですか?」
「ああ、上手いな。なまえはセンスあるんじゃないか?」

背中側に立った柏木がなまえに重なるように身体を密着させる。
これはビリヤードの指導中だと判っていても、ぴたりと背中に重なる柏木の胸板の感触が照れくさい。
キューを指で支える左手にも、姿勢を低く保つ腰にも、添えるように柏木の手が重なっている。
ビリヤード台と柏木に挟まれたなまえは、彼が動くたびにほんのりと漂う香水の香りに、もはや集中力など皆無であった。

「まずはキューは力まないで握って、手玉のど真ん中を突く練習からだな」
「っ、あの…柏木さん」
「ん?」

微かに振り返ると、思ったよりも近くに柏木の顔が迫ってる。
必然的に頬が熱くなるのはどうにも止められず、なまえはもごもごと押し黙って柏木から顔を逸らした。

「照れてるのか…?」
「…ちょっと」

あんまり可愛いこと、しないでくれよ。
耳元で意地悪く囁いた柏木の声を受けて、なまえの心臓は煩く騒いだのだった。


***
ご指導ご鞭撻シリーズ
柏木さんにビリヤードを習おう!
なんかビリヤード習う時の姿勢が、まるで立ちバックみたいで悶絶しますよね笑^^
教え方が上手そうだし、褒めて伸ばしてくれる先生だと思うので、柏木先生に習えば上達間違いなし!でも上達する前に惚れ倒すのも間違いなし笑!

Nov18 17:05


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