Wrath | ナノ
(峯@駐車場)

エンジンを切った車内は酷く静かで、峯は口を吐いた溜め息に苦笑を漏らした。
彼女が出てくるまではあと30分程だろうか。
早く彼女の仕事が終われば良いのに、と何度も何度も腕時計を眺める己の姿が滑稽だった。
柄にもない事をして居る、という自覚は峯にもあったものの、突然迎えにいったら彼女がどういう反応をしてくれるのかが気になって仕方がなかった。
いつも職場を出る前に律儀に「今から帰ります」とメールを送ってくれる彼女に、何故か今日は真っ先に逢いに行きたかったのだ。

「たったの30分が、やけに長いな…」

今日何度目の溜め息だろうか。
数える事が馬鹿らしいと思えるほどに吐いた溜め息の中で、峯の口元だけはそれでも微かに柔らかく笑みを湛えていた。
携帯電話を運転席のドリンクホルダーに突っ込んで目を閉ざすと、少しだけ逸る気持ちを落ち着かせる為に、峯は静かに深呼吸をした。


***
thanx:momo様@駐車場
車がある人じゃないと!という固定観念から抜け出せなくて、結果峯に着地しました。
一人で彼女を待ってる峯…可愛い><
本調子に戻るまでは短い話でちょびちょびリハビリしたいと思います。
素敵ネタありがとうございました^^

Nov17 13:28


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