Wrath | ナノ
(渡瀬@鏡の前)

「っ、や…だ、」
「やかましわ…えぇからちゃんと前見てみ」

手を付いた洗面台。
無理矢理顎を上向かされると、そこにはあまりにも猥らな表情を浮かべる己の姿があった。
だらしなく開いた唇の間に渡瀬の人差し指を咥えた己は、腰を前後に揺り動かしながら身体をくの字に折り曲げている。

「判るか?そないな顔してお前はようさん欲しがっとんねやで」
「や…っ、いや、ぁ」
「床まで垂らしよって…なんぼほど濡れたら収まんねん」

くつくつと喉の奥で笑う声が、耳元に響き渡る。
立ったまま腰を鷲掴みにされて、鏡の前で犯される己の姿を前に、恥ずかしさすらも快楽に変わった己が情けない。
迫る渡瀬の唇が背中に触れたかと思うと、息が止まりそうになるくらいの痛みが走った。

「痛くされても感じてまうんかい」
「っ、違…ん」
「何がちゃうねん…背中噛まれてワシのん締め付けたやないか」

とんだ淫乱やな、と笑う声に、頭を振って否定するも虚しいだけである。
痛みさえも愛おしいと思えたのは、渡瀬に指摘されずとも自覚をしていたのだから。

Jan29 11:57


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