After☆Story 2/9
「…はぁっ…はぁっ…!ごめん悠李!」
「そんなに急がなくてもよかったのに。でも僕の方が遅刻かもって思ってたからびっくりしたけどね」
「家を出ようとしたら急に新しいデザインのアイディアが浮かんじゃって…」
「あははっ!まったく葵桜らしいなぁ。あ、そうそう!さっきまで職場にいたんだけどね、チェリブロのワンピースを着たお姫様が来てくれてたよ!」
「わぁ!そうなんだ!嬉しい!」
「今やチェリブロ着てない子の方が珍しいんじゃないかってくらいの人気ブランドだもんね!」
「でもみんなのお陰だよ。最初は会社を立ち上げるなんて私には出来ないって思ってたけど、みんなが助けてくれて今はここまで大きくなって…。夢を叶えてもらって本当に感謝してる…」
「でも一番は葵桜の努力と才能の賜物だと僕は思うけどね」
「そう…かな…。でもそう言ってもらえると嬉しいな。ありがとう悠李」
「どういたしまして。さ!ちびっこ達をお姫様にするのもいいけど、今日は自分がお姫様になる準備ですからね!仕事のことは一旦忘れる!」
「う、うん…改めてこうなると、やっぱり照れちゃうね…」
「そ、そんなこと言われたら僕だって照れますよ!…あ、そういえば雅樹に聞いても教えてくれないんだけど向こうはどうなってるの?」
「ん〜…その気はあるけど今は二人共仕事が軌道に乗ってるから現実味はないって桜柚は言ってたよ」
「そっかそっか。子供達に囲まれて毎日忙しいんだろうな〜」
「でも二人共念願の保育士さんだからね。きっと充実してると思うよ」
「何だかんだで僕も美容師になったし、あややはパティシエ、楓斗は調理師…全員が夢を叶えられて良かったなって思うよ」
「そうだね…いろいろあったけどあっという間だったなぁ…高校生の頃が懐かしい…」
「あややと楓斗はいずれそうなるだろうなとは思ってたけど、まさか雅樹とささもとはね…」
「雅樹にそのまま返されたけどね」
「あはは!そうだった。まぁね、ほら!僕は隠すのが上手だから!」
「桜柚と雅樹は素直じゃないというか喧嘩ばっかりしてたから余計にだよね」
「いや〜人生ってわからないものですね〜」