After☆Story 1/9
〜あれから五年後〜
「お休みだったのに指名お願いしてごめんなさい…」
「いえいえ!いつも指名していただいて光栄ですよ!今日は娘さんもご一緒なんですね。これからお出かけですか?」
「あのね!パパ!パパと会うの!」
「単身赴任中の夫とディナーでもって話になって…高級なお店に連れて行ってくれるらしいからちゃんとしなきゃなって」
「見て見て!さくらお姫様なんだよ!」
「さくらちゃんて言うんだね!そのお洋服と同じ名前だ!」
「そうなんですよ〜。チェリーブロッサムってどういう意味って聞くから教えたらすっかり気に入っちゃって」
「こんな大切な日に着てもらえるなんて…きっとデザイナーも喜ぶと思います」
「この間テレビで見たけ どまだお 若い人ですよね。ちょうど美空さんと同じくらいかしら?」
「あ、そうなんですよ!同級生なんです!高校まで一緒で!」
「まぁ!そうなんですか?!世間て狭いのね!今も交流とかあったりするんですか?」
「…そうですね……交流というか、今は僕の婚約者なんです。」
「え…っ!」
「本当世間て狭いですよね!…さぁ!お母さんがシャンプーしてる間にさくらちゃんも全身お姫様にしてあげるよ!」
「お兄ちゃん!こんやくしゃってなぁに?」
「ん〜そうだな〜…大切な人って意味かな…」
そんな存在になると、一体誰が思っただろう…。
気持ちの変化が訪れたのはいつだっただろう…。
全く興味がなかったわけじゃない。
けれどただの友達だと思ってた。
そんな小さな変化を重ねながら人は生きていくのだろう。
人生何が起こるかなんて…本当にわからないね…