思わず、鼻歌を歌いたくなってしまうくらい今日のあたしは機嫌がいい。
「レオ姉、鼻歌まで歌ってご機嫌じゃん」
「あら、歌ってたかしら?」
「うん、歌ってたよ」
こくりと頷く小太郎に頬に右手を当てて「あたしったら嫌ね〜」なんて苦笑いをする。
でも、愛しい恋人が明日、仕事で京都に来るんですもの、思わず鼻歌を歌っても仕方ないわよね。
「ふふ。明日、涼ちゃんがこっちに来るのよ」
「あーそれでご機嫌なんだー永吉がなんか気味悪いって言ってたよ」
「あら、そう?気を付けないといけないわね」
いつものあたしだったらアイツの無失礼な言葉にムカついてしばいているんだろうけど、今日は機嫌がいいから特別に許してあげる。
「涼太がこっちに来るなんて聞いてないんだが…」
「あんまり時間ないから洛山に寄れないって言ってたから征ちゃんには言わなかったんじゃないかしら?」
あたしと付き合う前は仕事で京都に来るたび、逐一、征ちゃんに連絡してたみたいだけど、やっぱり元主将より現恋人に連絡するわよね、淋しそうな征ちゃんには悪いけれど、やっぱり優越感を感じてしまう。
「玲央っち!」
可愛らしい声と独特な呼び方に振り返ると、キラキラと輝く金色の髪と笑顔を振り撒く愛しの恋人が体育館の入り口で顔を覗かせていた。
「涼ちゃん!?どうしたの?予定は明日じゃなかったの??」
「へへ。玲央っち驚かせようと思って内緒にしてたんス!」
久しぶりに会えた涼ちゃんに駆け寄ると悪戯が成功した子供のように笑う涼ちゃんは本当に天使のようね!
可愛らしい笑顔を他の人に見せたくなくてぎゅーと抱きつくと、抱き締め返してくれる涼ちゃんの頬にキスをする。
「れれ玲央っち!!」
「玲央って呼んでって言ってるでしょ?」
顔を真っ赤にさせる涼ちゃんに微笑むと、しどろもどろに「れれれ玲央…」だなんてあたしの名前で呼んでさらに顔を真っ赤にさせる涼ちゃんは可愛いけれど、早く名前呼びに慣れてほしいものだわ…
「なぁに、涼太?」
お返しに名前で呼んでみたら今にも倒れるんじゃないかってくらい顔を真っ赤にさせる涼ちゃんが愛おしくって、これからたまに名前で呼んでみようかしら?なんて悪戯心が働いてしまった。
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ベタな恋愛事情の梨恋様より、二周年記念企画のフリリクで頂きました^^*
二周年おめでとうございます*゚
梨恋様、ありがとうございました!!