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 ブバルディア 04

熱い手がぴったりと胸の膨らみに吸い付くように触れると、下着がそのまま擦り上がって両胸が露わになる。

腰の辺りに乗り掛かるリヴァイを見下ろす形になって、無意識に逃げ腰になるが、すぐにベッドのヘッドボードに行き着いてしまった。



「エマ………逃げるな」



湖のときと同じセリフが今日はなんだか柔らかくも聞こえる。

絡み取られて引かれる手も、限りなく優しい。


薄暗い中とは言え、リヴァイに正面から見られている事実にエマは今更頬を上気させた。


そういう類のことには疎いと思っていた人だから、こうして自分に触れる彼が今まで想像できなかった。

熱くて優しい指先がゆるゆると胸の形を確かめるように動く度に、どうしても羞恥を覚えてしまう。


薄暗くてよかった、とエマは震える手でリヴァイの肩辺りの服を掴んだ。

明るかったらこの時点で気絶していそうだ。



「…っリヴァイ……あんまり触らないで、は、恥ずかし…い…っ」



声も絶え絶えにそう訴えるエマを、リヴァイは見上げて少し意地悪そうにその口端を上げた。



「…お前の成長は見たと言ったが、触らねぇと分からないこともあるからな……。
全身どこまで成長したのか…俺が確かめてやる。」


そう零したリヴァイの吐息が胸にかかったと思った瞬間に、胸の突起がその舌でぺろりと舐められた。



「ーーーッ!!」



そのまま先端がリヴァイの口内へ含まれる。

小さくも確かな甘い刺激と、眼下に浮かぶ扇情的な光景。

もう片方の胸は変わらず彼の手のひらに包まれたまま、その手に合わせて形を変える。
舌と指で両方の胸の敏感な部分を刺激されると、堪らず吐息が漏れた。


胸なんて触られても気持ちよくなんてないと思ったのに。



訓練兵のとき、女子ばかりで集まった際にそれぞれの体の変化を比べあったりしたこともあった。

胸と腰が急に大きくなる子もいたり、初めから胸だけ大きい子もいたり、体型が変わらない子もいたりとそれこそ様々だった。
私の成長は遅い方で、このまま変わらないのかと思っていた頃に、少しずつ起こる自分の体の変化に気づいた。

背丈も大きい方でもないし、線も細いと幼少時代から言われていたけど。
訓練兵団を修了して憲兵団に入った辺りで急にシャツの胸元がキツくなって、同期の女子にも「大人っぽくなった」と言われた。

他の子と比べると胸のサイズが大きすぎる事もないけど、急に体だけ大人になることに戸惑って。
動きにくくなることもあり、大きくなる胸が嫌だと思ったりもした。

ふざけあって女子同士で軽く胸の揉み合い、なんてした時もあったっけ。


あの頃は、胸を触られる事が気持ち良いなんて思いもしなかった。


こんな時だけずるいけど、彼に大人として扱ってもらえるなら。

大人として見てもらえるなら、自分の身体も少しだけ好きになれそうだって思えてしまう。








見るのと実際に触れるのとでは大分違うもんだな、とリヴァイは思った。

瑞々しく張りがある胸は程よくついた筋肉に縁取られ、綺麗に曲線を描いて、あの日の湖で月灯りに浮かぶ陰影を思い出させる。


形も分かる程の陰影はいやらしさの欠片もなく、ただただあの時はその造形から目が離せずにいた。
だが、こうして直接触れると少し汗ばんだ肌の感触や身体から香る甘いような香りと、自分の手に合わせて形を変える柔肌にざわざわと身の内から猛るような思いだった。

骨格も身体の輪郭も、抱き寄せた肌の熱さも。

その表情さえ何年も前から知っているはずの少女のものではなくて、今はもう成熟した果実のように芳るばかりだ。


誘われるように、リヴァイはその肢体の柔らかさを確かめながら白い肌に手を這わせた。



  


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