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 ナカロマ 94

次の日、私は旧本部へと向かう準備をしていた。

馬以外にもリストにされていたいくつかの備品や食料品なんかを用意して、馬の背に括りつける。
リヴァイの潔癖に近い綺麗好きはもはや周知の事実らしく、それにはいくつか掃除用具等も含まれていた。

全てを積み終えて、手綱を握り旧本部への道へと向かう。


あれから何度考えても思考が止まってしまうのは、リヴァイのあの言葉だった。

ただのガキとは思ってはいない、って…?

あの場は流されてしまったけど、どういう意味、って聞けばよかった。
あのときのリヴァイの言動からして異性として見てくれているのは、

その、なんとなく分かった……気がするけど。


あの続きをするのは今更ものすごく恥ずかしいし、なんだかリヴァイも自分もあの非現実的な雰囲気に流されてしまっていたんじゃないかと思ってしまう。

あのまま、もし。

エルドさんたちが来なかったら…
どうなっていたんだろう。

恋人のようなキスをしてくれたんだろうか。

リヴァイも、私に触りたいって思ってくれたのかな。

恥ずかしいけど、その手に触れられて、体温を感じて。
…もっと近くに行けたらと思う。


リヴァイに会えたら……伝えてみようかな。
こんなに好きだって、伝えてもいいのかな。


そう思うのに、そんなつもりじゃなかったと言われるのが怖い。


リヴァイはそんな酷いことしないって思いたいけど、
初めて会ったとき成人していたリヴァイに比べて私はまだ10歳そこらの子供だった。

私の方は初めから少なからず好意を抱いていたけど、リヴァイから見たら煩わしい子供のことを好きになるなんて普通に考えると有り得ない。

増してやそれから結構な会わない期間があって、急にこんなに関係が進展するなんて。

異性として見てくれるのはとっても嬉しいけど、これから振り向いてもらおうと思っていただけに、その手が急に自分に差し出られるなんて信じられなかった。

リヴァイの考えていることは元々分かりにくいけど、こればかりはいくら考えても分からない。


…やっぱり、あのとき聞いておけばよかった…。


リヴァイに関することになるといつも頭の中は矛盾だらけだ。

会いたいのに会いたくないし、
恥ずかしいのに少しその向こうを見てみたい自分もいるし、
自分からは触れたいのにリヴァイからは急には触らないでと思ってしまう。



−−−くだらないこと考えてんだろ、といつかのリヴァイの声が聞こえた気がした。

……。

本当に…誰のせいだと思ってるの…っ!



もう殆ど日課のように思いの丈を散々巡らせた頃。
気付けば、旧本部という古城跡が木々の間から見え始めていた。



  


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