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 ナカロマ 34

壁外調査まではほぼ毎日訓練が行われ、有難いことに私も最後まで参加させてもらえることとなった。
そうして過ごすうちに壁外調査の日は段々と近づき、
あと二日で皆が調査へ出ていくという頃。

本部の手伝いと訓練で兵団敷地内を連日行き来する私は、いつでもリヴァイの姿を目で探して、どうにか会えないかといつも違う道を使ったりしていたけれど、その努力も空しく彼と会うことは出来なかった。

最後に会えたのが昼食に誘った時だから、リヴァイにはもう五日以上会えていない。

ただ、会議室に座っているところを見つけたり遠くの廊下をハンジさんと歩いているところを訓練場から見かけたりした。
姿が見えるだけでも、ほっとする。
この敷地内のどこかにいることが分かるだけでも胸が暖かくなる。

こればかりは、本当に調査兵団に異動出来てよかったと感じた。
もちろん、欲を言えばすぐに会いに行きたいし声を聞きたいけど、それは調査が終わるまでの我慢だ。

立体起動装置を装着してガスの確認をする。
早く来すぎちゃった、と時計を確認して思う。

訓練の時間まではまだ余裕がある。

「早いですね、エマさん」

声を掛けられて振り返ると、ダミアンだ。

「あ、なんだかじっとしていたれなくて。
私は外に出られないので…当日はお手伝いだけでも役に立てるように頑張りますね」

そう返すと、ダミアンは何かを思い出したかのように嬉しそうに笑った。

「エマさん、そのことなんですけど…。
今日の訓練の後に、カリーナ分隊長を訪ねてみてください。
良いお知らせがあるみたいですよ!」

きょとんとする私を置いて、じゃあまた後で!と準備を終えたダミアンは元気に訓練場へと出て行ってしまった。

カリーナ分隊長…?
初めて聞く名前だ。

当日のお手伝いの分担が変わったとか…?
大変だ、当日の流れはもう既にキツいスケジュールなのに。
補給物資の最終確認も終わっていないし、馬術班や医療班との連携も人手不足なのだ。

調査内容が二日前に変わるとも思えないし、私の仕事分担が減るなんて考えられない。
彼の言う良いお知らせに検討もつかないまま、私はその日の訓練を終えてカリーナ分隊長の元へ向かった。



  


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