腰にキス

※事後の朝の話



朝起きると、一緒のベッドで横に寝ていたはずのバダップがいなかった。
どこに行ったのかと思って、改は首を横にきょろきょろと振ったら、タイミングよくバダップが部屋に入ってきた。
シャワーでも浴びたのか、銀色の髪は濡れて鈍い輝きを放っていた。服装は短パンに半袖のTシャツというラフな格好。
「起きたのか?」
「何か文句でもあるのか?」
「いいや。やりすぎて起きれないかと思ってな」
「・・・お前、さらっと恥ずかしいこと言うな・・・」
半ばあきれつつ、改は体を起こした。少々、気だるかった。
掛け布団を僅かに持ち上げ、裸の自分の姿にふと目をやると腰に赤い痕跡が点々と残っていた。
「なぁ、何で腰にばかりキスするんだ?」
普通ならば、キスをするなら唇や頬や額、時には首筋にするだろうが、バダップは違った。
唇にもキスをするが、一番多いのは腰だった。
無駄、もしくは無意味な行動はめったにしないバダップのことだ。改はきっと何か意味があると思って尋ねてみた。
「キスをする場所にも意味があるらしい」
静かにバダップは答えた。
「へぇー・・・で、腰にはどんな意味があるんだ?」
問われて、バダップは
「束縛」
と淡々と二文字で返し、
まじまじと改は腰の痕を見つめた。
昨晩、腰をつかんで引き寄せてキスをするバダップの姿は今思うと自分を束縛しようとしているようだった。

バダップがベッドに来て改の顔を引き寄せる。
「八十年という時間の隔たりがあったとしても俺は改をずっとそばに置いておきたいんだ」
そうして、額に柔らかく唇を押し当てる。
「恥ずかしいけど・・・そう思ってくれるのは嬉しい」
少し頬を朱に染めて、改はバダップの唇に控えめなキスを送った。


―――――
2011.6.6
だいぶ前になるけど、ツイッターでキスする箇所にも意味があるとリツイートが回ってきて、さらにその前にツイッター診断で「バダ改は腰骨にキスすると萌え」とか出てた結果である。
二人は引き抜きで同チームにでもいると思ってください。

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