バダ改へのお題

あの人と代われたらいいのに

八十年という隔たり。それが俺と改にはあった。
違う時代に生きている以上、俺たちが生涯一緒にいるということは不可能なのだ。
永遠の愛を誓えても、ずっと一緒に居ることが出来ない。
だからこそ、俺から見ての八十年前を生きる改のチームメイトや友人たちを羨ましく思う。
誰かと代われたら、あの時代にずっと居られたら、どれほど幸せだろうか。



(もう会えないって、知ってるよ)

俺が居るべき時代に帰ってきた。
作戦は世論の風当たりを受けないためにも大きく動かないキラードとかいう科学者や円堂カノンといった人間によって止められた。とはいえ、もっと有意義に使われるべきであろう時間移動をサッカーの撲滅という私用にも等しいことに対して使われたのだ。当分は政府も黙っていないであろう。だから、個人がそう易々と一人の人間に会いたいからと言って時間移動を行うなど、しばらくは不可能だろう。
そうでなくとも、俺と改は会うべきではないと思う。
会えば会うほど、愛しさも増すし、それに比例してずっと一緒に居られないことも痛感してしまう。
だから・・・さようなら、改。



いまを彩るもの

一緒に居られないのなら、一緒に居られる時間を大切にしようと決めていた。元の時代に帰った今でも、改との思い出は鮮明だ。
しかし、今となっては、改は過去の存在である。更に、思い出が鮮明である分、改は非常に忘れがたい存在となってしまった。
女々しく、自分でも恥だと思うが、時折改のことを思い出しては寂しくなる時さえもある。
そんな俺を見て、改はどういうだろうか?
彼のことだ。きっと「しっかりしろ」などと乱暴な言葉をかけてくるだろう。言葉は乱暴だが、心の底では心配している。
確かに俺が弱気になっていたら、改も心配するばかりだろうな。
だから俺は、改がいなくても、八十年前で過ごした日々を忘れずに、「今」という時代を生きよう。





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2011.8.13
ツイッター診断(こちらになります)でがなかなか良い結果が出たので挑戦してみました。

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