短編集 | ナノ


日常

「ニンジャさん!!いつもありがとうございます!!」


ささやかなものなんですけど、もらってください。と、手渡したのは中くらいの紙袋。

いつも血盟の皆やわたしに美味しいご飯を作ってくれるニンジャさん。
そんな彼に少しでもお礼がしたくて、先日購入したものだ。


当のニンジャさんは面食らってしまったのか。少し驚いた顔を一瞬したけど、すぐに笑って、かたじけない。と、一言。


「開けてみても構わぬか?」

「はいっ♪」


わたしも彼もニコニコ。
少しニンジャさんは照れながら紙袋を開け、二重包装を丁寧に解いていく。

ニンジャさんのために用意したものだ。喜んでもらえるといいな。




はらり。

包みが全て解かれ、贈り物が姿を現す。
ニンジャさんはさっきまでのニコニコした顔が少し引きつってるみたい。

あれれ?ひょっとして…


「あ、お気に召しませんでしたか?」

「…いや、そういうわけでは…御座らぬが…。。」

明らかに顔が引きつってます、ニンジャさん。
この人、わたしに対してはすごく嘘をつくのが下手なのです。


「何故、割烹着なのだ?」




「だって!ニンジャさんよく台所に立つからです!!!」



代々伝わる忍装束が汚れたりしたら大変だと思って買ったんだけど…あ、エプロンの方が良かったかなぁ?

生地は真っ白でちょっと寂しかったから、胸の辺りにハートの刺繍を入れてもらったのが問題だったのかな?
やっぱり刺繍だけじゃなくてもっとレースつけてもらうか、柄にこだわればよかった…。。。



「ごめんなさい、ニンジャさん!今度はちゃんと可愛いエプロンを用意しますから!!」


「そういう問題ではないでござるよ!!!!」






一際大きなツッコミが、館に響いたのでした。



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初代拍手御礼小説です。
割烹着姿のニンジャは最早公式状態ですね、分かります。

2008.11.03


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