短編集 | ナノ


ごほうしさせて?

※恋人設定
※R-18 本番はしてないです





「名……」


熱の籠った瞳を、彼が向けてくる。
言葉にこそ出さないけれど、何を求めているのか理解したわたしはうっすら微笑んで彼の股間に指を這わせる。

既に自己主張をしているそこをゆっくりなぞると、ぴくんと布越しに反応を見せた。

なんだかそれが愛おしく思えて、空いている腕を彼の首元へ回す。
そのまま抱き寄せて、彼の嘴を舐める。そのままゆっくりと口内へ侵入し、舌を絡ませ合う。

勿論その間も股間への愛撫は続け、ゆっくりとズボンのジッパーを下ろした。

ぴったりとしたボクサーパンツの一部分は生地色が変わっていて、ああ、感じてくれているんだなと。
そう思うとわたしもなんだか興奮してくるのだった。



「もっと、もっと良くしてあげるね?」



そう微笑むと、彼・踏陰くんは目を細めて許可を出す。

ゆっくりと下着をずらすと、びん、と勢いよくそそり立った肉棒が眼前に現れた。
先端からは透明な液体が溢れ、てらてらと光っている。
特に触れてもいないのにピクピクと動くそれを零距離で見つめていると何とも言えない気持ちになってしまう。


「どうした名、そんなに欲しそうな顔をして…淫乱め
 ―…欲しいのだろう?さっさと咥えたらどうだ?」


わざと意地悪に、厭らしい言葉をかけて羞恥心と興奮を煽ってくる。
大好きな彼から催促されたんだもん。しないわけには、いかない。

それに何よりわたし自身も限界だったみたい。

大きく口を開き、膨張した彼をくわえ込む。
できる限り大きく開いたはずなのに、顎が外れちゃいそう。
少し閉じようとするだけで、歯があたってしまいそうになる。

そうならないよう注意を払いつつ、口をすぼめてゆっくりと上下運動を開始した。


口から出てしまいそうになるギリギリまで引いて、一気に喉奥まで戻す。

あまりの圧迫感に涙が出そうになったけど、ちらりと見上げた踏陰くんはたまらないみたいで。
いつもみたいな鋭い目じゃなくて、少し蕩けた瞳になっていた。

堪えるように長くゆっくり息を吐いたりして…我慢しているんだろうなっていうのがよくわかる。

だって口の中でピクピクしているもん。


「ふみはへふん、ひもちいい?」


「…ばっ、…そのまま、しゃべるな…!」




―あ、先っぽが膨らんでる。イきたいんだろうな。

口内で射精の予兆を感じ取ったわたしは、スパートをかけるべくもっと刺激を与える。
睾丸を優しく撫で、内太股を指でなぞり。先端を舌でほじくるようにいじめてみたり。色々と。


「ぐ…っ、名ッ…!」


「んぅっ…」


どろりとした液体が口の中へ注がれる。生臭くて独特の味。
きっと彼のものじゃなかったらこうして受け入れられないと思う。

ゆっくりと舌の上で転がして、咀嚼するように味わって、飲み込む。

…熱い。苦い。

だけど…変なの。くせになりそう。




「……ごちそうさま」


にこりと微笑むと、踏陰くんは鯉みたいに口をパクパクさせて。
呆れたようにため息を漏らし、強くわたしの体を抱き寄せた。



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2017.05.31

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