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Coffee Break


クリムゾングループ令嬢 アクア・クリムゾンによるナデシコへのシステムハッキング事件が解決し、
カズマくんをはじめとする関係者達は大河長官達にこってり絞られたらしい。
その中には黒鋼勇くんも入っていたようで、彼の自室を訪れるとベッドに倒れ込んでいた。

「勇くんお疲れさま。災難だったねぇ」

「あー、紫苑…ほんとだよ。世の中おいしい話はないってことだな」

彼はそう言って顔だけわたしの方へ向けてくれる。
その表情から察するにわたしが思っていた以上にお説教を受けたようだ。
邪魔にならない場所へ腰を下ろすと、勇くんはわたしの腰に腕を回し、ゆっくり抱き寄せる。

「そうだね…だけど、ナデシコが壊れてしまわなくて本当によかった。
そう考えると勇くん達がアクアさんを止めてくれて良かったと思うよ」

優しく彼の髪を撫でると嬉しそうに頬を寄せてくる。そんな勇くんのことをわたしは心から愛しいと思う。

「紫苑がそう言ってくれるならなんだか報われた気分だぜ…ありがとな」

そんな彼の呟きにわたしは微笑み一つで答えた。




「そうだ。新しいコーヒーを買ってきたから一緒に飲もう?」

そう言って立ち上がり、持ってきたドリップコーヒーをセットする。
2人分のコーヒーを淹れ、並んで口をつけたが…どうやら淹れたお湯が高すぎたみたい。

はっきり言って、あまり美味しい出来にはならなかった。

「…勇くん…ごめん、苦かったね。淹れなおすよ」
そう呟いたと同時に肩を抱き寄せられて口を塞がれた。
そのまま歯列をなぞられ、口内を犯される。


「ごっそさん。これで甘くなったろ」


吐息だけでそう囁いてくれたけど、わたしと同じくらい真っ赤な顔の勇くんがそこにいて。
心臓はずっとドキドキしていたけれど、なんだかおかしくなって笑ってしまった。




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診断メーカー/「苦いコーヒーだね」:というつぶやきを聞いて
とっさに食むようにキスをする黒鋼勇