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首筋に咲いた赤い花を見て、
ネスが腹を抱えて笑ったのが4日前。

ネスは白い目をしているアルミンの肩に手をのせ、
人間は命の危機に瀕した時、
子孫を残そうとして性欲が沸くように出来てるから
お前は正常だ、と訳のわからぬことを言っていた。


あの夜にリヴァイが残した跡は1つではなく、
日が昇ってから鏡を見て
アルミンは絶句する羽目になる。


首筋に幾つも咲いた花を
始めは絆創膏を貼って隠そうとしたが、
それは逆にあからさま過ぎると思い、
敢えて何もしないまま翌日の訓練に臨んだ。
何か聞かれた場合は
虫に刺されたとでも言えばいい、と
考えていたが甘かった。
同じ班のメンバーからは冷やかしを食らい、
同期と顔を合わせれば微妙な顔をされる。
特にジャンなんかはアルミンを見るなり
遠い目をしたまま動かなくなった。



(…兵長!どうするんですかコレ!)




あのリヴァイ兵士長ともあろう御方が
こんなことをする人だとは
微塵も思っていなかった。

何事においてもさっぱりしてそうな風貌なのに
ベッドの上のリヴァイは嘘のように情熱的だった。

慣れない快楽に悶えるアルミンを労りながらも
逃がさないと押さえ付ける手は力強くて、
互いの全てを暴くかのように長い時間繋がった。




『んあぁ……!!』




ベッドの上に突っ伏し、
後ろからリヴァイを受け入れる
アルミンの体は火照り、ビクビクと震えていた。
あまり豊かではない胸の、ピンと尖った突起が
シーツと擦れる度、彼女の中の収縮が強まる。




『ここが感じんのか…?』



乳首が弱いことに目敏く気付いたリヴァイが
乳輪をなぞるように撫でると、
たまらずアルミンは上体を反らせる。



『あぁっ…!ダメです、触っちゃ…』




『ハジメテなのにエロいな。お前のここは』





耳元で囁きながら、彼女の奥を突くと
アルミンは目を閉じて悲鳴を上げた。
グチュグチュと音が鳴るほど
濡れそぼったそこを、
リヴァイはゆっくりと何度も攻め立てる。
彼女が壊れないよう、大分加減しているが
それでも初めて感じる快楽は
刺激が強すぎたらしく、
遂に彼女の体からは力が抜け、
寝台の上にだらんと倒れ込んでしまった。




『アルミン…』



甘い声を吐息と共に彼女の耳許で漏らす。




『ん、ん、…』




声も出せず荒い呼吸だけを繰り返す
アルミンの背にのしかかり
リヴァイは律動を繰り返す。
力が抜けたアルミンの体をひっくり返して
正常位で小刻みに動くと、
彼女の唇の端から涎がつーっと零れた。

最後の方は嬌声も上げられない程
アルミンは意識朦朧としていて
彼が達する時に漏らした声以外
余り覚えていない。

行為を終えた後も、リヴァイは
アルミンにぴったりくっついて離れなかった。
挙げ句の果て、
『泊まってけ。明日の朝送る』と強請り
アルミンはその夜
リヴァイの部屋に泊まることになった。

置いてけぼりをくらった以前とは違い、
自分の馬があるから1人で本部まで帰れるのに
翌朝は早朝から本部の兵舎までついてきてくれた。


悉く予想を裏切る人だ。
勿論、良い意味で。



彼の独占欲の証である赤い跡も
薄くなってきた本日、
調査兵団は壁外調査に出発する。



カラネス区の外門付近に集まった調査兵団は
皆険しい表情で開門の時を待っている。




「団長!!間もなくです!!」




「付近の巨人はあらかた遠ざけた!!
開門30秒前!!」





兵士達の声が飛び交う中、
アルミンは馬の手綱をぎゅっと握り締めている。


ーーー…落ち着け。
怖いのは皆同じだ。
僕だけじゃない。


首筋に手をやり深呼吸をしているアルミンを見て
ネスは眉を下げて笑う。
彼女の首に吸い付いた人物を
遂に知ることは出来なかったが、
アルミンがとても幸せそうに笑うから
きっと心も繋げた行為だったのだろうと
予測できる。
調査前は酒の勢いや
自暴自棄になって身体を許してしまう
女兵士も少なくないので、
彼女がそれに当てはまらなかったことに
安堵していた。




「いよいよだ!!
これより人類はまた一歩前進する!!
お前達の訓練の成果を見せてくれ!!」





先頭に立つエルヴィンが剣を掲げ、
開門の合図を出す。




「第57回壁外調査を開始する!!前進せよ!!」





ウォール・ローゼの扉が開くと同時に
調査兵団は壁の外へと飛び出した。

直後に襲い来る巨人との戦闘は
全て援護班が請け負う。

まさか、こんなにすぐに
巨人が現れると思っていなかった新兵達は、
皆真っ青な顔で巨人と援護班の戦闘を
食い入るように見つめている。




「怯むな!!前進しろ!!」




それぞれの班長に注意を受けながら
初めての壁外調査に臨む104期兵達。


一体何人の兵士が、
壁の中に戻れるのだろうか。
今回の壁外調査は極めて短距離であり、
エレンをシガンシナ区に送るための
試運転だという説明があった。
限界まで進む壁外調査と比べて危険は少ないが、
それでも犠牲者0とはいかないだろう。





「進めええぇぇ!!」





兵士達を鼓舞するエルヴィンの声に
導かれるように進む隊列の中、
アルミンはエレンやミカサ、
そしてリヴァイのことを想った。



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