どもです、うっかりピカチュウになったエンです。
現在シロガネ山にいます、噂通りポケモン強いし険しいし、無縁の場所だと思ってましたよ。
一応バッチは持ってるけど………秘伝わざが必要になる場所もあるしね。
ここに来るなんて思ってなかった、こんな野生ポケモンの巣窟。
レッドがいるみたいなことはグリーンから聞いたことがあった。
でもこんな所に籠もる人の気がしれないわ全く。
雪の降る極寒の地、荒らぶる野生ポケモンは自然と強くなる。
あたしは観察者だから、必要のない場所。
もしかしたら来ることになったかもしれないけど。
よくこんな所に籠もっていられるなレッドは………驚き通り越して呆れるよ。
思い出すは昨日のやり取り―――…




「オレがエンを預かる」

「え、レッド?本気」

「大体預かるって……普段お前シロガネ山にいたんじゃ」

「ちょっレッド!あんた本当にそんなとこにいたわけ?」

「グリーンはジムあるし、どうせエンは家に帰っても誰もいないだろ」

「そ…そりゃそうだけど」


あたしの両親は研究者でよくオーキド博士のお手伝いをしては家を空けている。
確か少し前にしばらくホウエン地方に行ってくると連絡があったのを思い出す。
うちの両親自由気ままだからなぁ………こればかりはどうしようもない。
唯一の飛行タイプであるオニドリルは、両親にせがまれて貸している。
普段は歩きなので、しばらくは必要ないと踏んでいた。
こんなことが起きるのは想定外だった。


「第一グリーンと一緒だったらエンは虐められるに決まってる」

「人聞き悪いこと言うなよ」

「う―ん、それはあり得る…かも」

「エンまで!」

「だからエンはしばらくオレが預かる」


そう言ってまだ何か言いたそうなグリーンを残してリザードンに乗り、あっという間にシロガネ山へ。
その時のリザードンの翼とか体の艶とか炎の揺らめきがあまりにも美しすぎて見惚れてしまった。
不覚だった、でもやはりチャンピオンともなれば育て方が違う。
グリーンも育てるのがうまいけど、それは全体的に統一された強さという意味で。
二人ともポケモンが好きだけど、レッドはもっとポケモンに愛情を感じる育て方と言えばいいのか………
さすがポケモン馬鹿、じゃなきゃこんなところに籠もれるわけがない。


「……やっぱりエンはここで一緒に暮らすのは嫌か?」

「え?」

「さっきグリーンが言ってた。ここは危険だし、電気も暖房ないし……」

「あたしが嫌って、一言でも言った?
最初は驚いたけど、嫌なんかじゃないし。
それに観察者として腕が鳴るもの」

「……エンらしいな」


薄く微笑むレッドに思わず胸が鳴る。
だってレッドはいつも無口で無表情だから。こんなの反則だ!
思わず背を向けた私にレッドが首を傾げたのを知っているのはピカだけだった。





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