事は数日前に起こった―――…


エンは旅をしていた、彼女の幼なじみのように。
カントーを巡りジョウトに渡ってスケッチブックにポケモンの絵を記録する。
それは図鑑だけでは分からない、ポケモンの生態の『記録』。
元々そういうことが好きだったエンは博士の頼みに快く承知した。

各地方にしかいないポケモンたちの姿を観察する。
まだ友人達が知らないホウエン地方にも足を伸ばしてみよう、そう考えていたとき。
エンはある噂を耳にする。


「ジョウト地方のある森に、ポケモン魔法を使う人がいる」


ポケモン魔法といえば、雑誌なのでよく取り上げられている。
それは女の子の憧れ。
ポケモンとの好感度が上がる、気持ちを知ることができる。
噂だけでしかなかったがエンも憧れる女の子の内の一人だった。
すぐさまその森へ足を運ぶと、噂の人物はそこにいた。
怪しげな植物に水やりをしているのを見て確信する。


「あああの!あなたがポケモン魔法のっ」

「私を知ってるの?」

「はいっあの…ポケモンの気持ちが分かるのは本当ですか!」

「ええ、勿論よ」

「あたしにも分かるでしょうか」

「何なら試してみる?」

「!いいんですか」

「オッケー、じゃあ今から準備するから待ってて」


そう言うと彼女は手に持っていたカバンからいろんな物を取り出し始めた。


「その前にあなたピカチュウを持ってる?」

「あ、はい」

「ならいいの」


いきなり振り返り質問すると彼女は作業を続けた。
ぶつぶつ言いながらフラスコの中に何かを入れる。


「ニャースの毛、エイパムの涙……」

「?何してるんだろう」

「………最後にピカチュウの電撃!あなたピカチュウ出して十万ボルトよ」

「ははい!ピカチュウ十万ボルト!」


ピカチュウの十万ボルトがフラスコに直撃すると、紫の煙が私を飲み込んだ。
視界は紫一面、体に異変を感じて。


煙が晴れたとき、彼女は成功だわと叫ぶ。同時に感じる違和感。
え、ちょっと彼女大きくない?
その前に何で世界がこんなに大きく見えるわけ!


「マスター、マスター」

「マスターって……あたしにはエンって名前が」


何で、なぜピカチュウが目の前にいるんだそれも同じ目線で!
もしかしてあたしは………?


「うっうそ……」

「マスター、ポケモンになってるよ」

「ええ―――っ!!」






「それで一人で乗り物に乗れないから連れてきてもらったと」

「馬鹿だろ?こいつ」

「馬鹿じゃないやい」

「お前みたいのを馬鹿っつ―んだよ」

「それでエンはいつ戻るんだ」

「多分1週間かな…」

「分かった。じゃあオレがエンを預かる」

「「え!?」」






最初ピカにご主人様呼びさせようとしてマスターに。
アニメネタから拝借^^




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