「さすがに夏になると雪も溶けるんだねぇ」
「……うん」
「洞窟内は涼しいし快適だけど、外は地獄だし。
よくこんなとこに籠もってられるよねー……今さら、か。
しかしレッドは暑くないわけ!?しかもまだマフラーしてるし……見てて暑苦しいよ?」
「俺が平気だからそれで良い」
「さいですか……そういえばマツバさんが"フスベシティゴーストピクニック"に連れていってくれるんだ!
これで暑さも大丈夫だね!」
「!!?」
「……グリーン」
「なっなんだよ、いきなり山から降りてきて!
雪でも降るんじゃねえの!?」
「縄……あなぬけのヒモでもいいから」
「はあ?あるけど――…何に使うんだよ」
「エンを縛って捕まえとく」
「んなあ!?」
「――なるほど、お前も大変だな。
でもそんなことしなくても良い方法があるぜ」
「……?」
シロガネ山に戻って来たレッドさん。
「エン」
「?どうしたのレッド」
「好きだ」
「…はあ!?」
「愛してる、だから行くな」
「……それ誰の入れ知恵?」
「………グリーン」
「やっぱり…」
真顔で突拍子もないことを告げたレッドにエンは目を丸くした。
が、後に続いた言葉でレッドはこんなキャラじゃないと気付く。
レッドらしくない台詞を言う彼の後ろにはグリーンの影が。
グリーンはキザだから、さらりとこんな恥ずかしいことを言ってのける。
だから女の子が絶えない。
エンは幼なじみなので慣れっこだが。
「でもどうしてそんなことを」
「……グリーンがこう言ったら、エンはどこにも行かないって」
「……あいつー」
「エン?」
「はあ、グリーンには適わないわ、さすが幼なじみ」
「エン、どこ行くの?」
「外よ、マツバさんに電話しなきゃ。
『ごめんなさい、行けなくなりました』ってね」
「じゃあ、」
「仕方ないなあ、幼なじみには負けるよ」
(――なんて)
(そんなあからさまに嫉妬されて、気付かないわけないじゃん)
一部某少年漫画参照^p^
しかし彼女はハイスペックではない