「?」

「誕生日、おめでとうレッド」

「―――ああ。すっかり忘れてた」

「やっぱりね…そうだと思って」

「開けてもいい?」

「うん」


彼の瞳に因んだ赤いリボンで巻かれた黄色い包みを丁寧に捲っていくと、出てきたのは赤いマフラー。
だってレッド、こんなところにずっといるくせに防寒してないんだもの。
こっちが見ていられない。
たくさん悩んで、ピカにアドバイスを貰ってようやく決めることが出来たプレゼントだ。


「マフラー……ありがとう」

「いいよ。お礼はピカに言ってあげてね、アドバイス貰ったし」

「――…うん」


レッドがあまりにもマフラーを凝視するものだから、妙に照れ臭くて部屋を足早に出ようとしたら。


「しばらく2人きりがいい。ダメ?」


今まで見たことない、多分これから先も経験することがないだろうレッドの甘えに、思わず硬直する。
その間にもレッドの腕があたしの首に回されて、いわゆる抱きつかれた状態に。
こうなった以上レッドは何も聞いてくれないんだろうな。
諦め混じりのため息を一つ溢してしばらく今の状況を甘んじることにしよう。
正直言うとあたしもレッドと2人きりが良かったから、気まずかったけどね。
ごめんグリーン、あとでちゃんと連絡するから。


「……」


耳元で聞こえた微かな声にあたしは顔が熱くなった。







おわり







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