ゲーム設定な無口レッド




私には幼なじみが二人いる。
グリーンとレッド、両者共に有名人でマサラのトレーナー。
かくいう私もマサラ出身。

異例の若さでチャンピオンに上り詰めた赤い友人が行方不明になって、早一年。
居場所を突き止めたらしいもう1人の幼なじみの口から飛び出したのは、思いもよらない場所でした。


「レッドはシロガネ山にいるらしい」


シロガネ山といえば、強いポケモンがわんさかいるという誰も近寄らない場所。

そんなところでレッドは何してんだ!なんて考えても無駄だ。
だってアイツはポケモン一筋で、ポケモン以外頭にないのだから。

ポケモンに対する欲求が貪欲な彼ならば、おおよそ強さを求めて山籠りしているんだろうな。

アイツのことだから元気なんだろうけど、やっぱり心配で。
こうして様子を見に来たのはいいものの……


「シロガネ山がこんなに寒いなんて思わなかった……!」

「ピィカ」


太陽も顔を出さない極寒の土地と止まない吹雪。
シロガネ山を甘く見ていた私は見事に風邪をひきました。

傍にいるレッドのピカが私の頬をぺちぺち撫でる。
主人であるレッドは、水汲みに奥まで行っている。
レッドの元気な姿を見に来たはずなのに……なんて私はバカなんだ。
逆にレッドのお世話になってしまっているじゃないか。


「不甲斐ない……」

「マヨ、大丈夫か?」


声が響いてレッドが小さな容器を持って戻ってきた。
私の横に膝をつき、タオルを汲んできた水に浸して私の額に乗せてくれる。
ひんやりと気持ちよくて私は目を細めた。


「私、やっぱり帰ろうかな…」

「外は吹雪だ、危ない」

「ドードリオのドドくんなら平気だよ」

「病人の体には堪えるからダメ」

「だって私……レッドに迷惑かけてるし」


いつも私は彼に頼ってばかりで、自分が情けない。
そんな私の言葉にレッドは首を振ると、頬に手を寄せてくる。


「迷惑だなんて思ったことなんて一度もない。
せっかくマヨに会えたんだから、もっとマヨと一緒にいたい」

「でも……」

「今は寝ろ、みんな心配する」


ボールから出ている私の手持ちのポケモン達は、心配そうに私を見ている。
ああ、彼らにも迷惑を掛けてしまっているーー…

近くにいたオオタチの頭を撫でてやると気持ちよさそうに一声鳴いた。


「……じゃあ私ちょっとだけ寝るね」

「ぐっすり眠ればいい、傍にいるから」

「ありがとう、レッド……」


おやすみ、を言う間もなく私は深い眠りに落ちた。
とても暖かくて、安心できる温もりに包まれた気がした。





(マヨ可愛い……キスしたら怒られるかな)
(キーッ!)
(…そう睨むなよニドリーノ(ちっ))

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