百合っぽい(というか百合)
シリアス
スペ設定




オレには好きな子がいる。
お絵かきが大好きで、いつも公園のベンチに座ってぼうっとしている。
その先には彼女の親友の姿がいつもあった。
トキワのイエローが。
イエローとマヨは幼なじみで親友、イエローに絵を教えたのも彼女。
色鉛筆でイエローの絵ばかり描いている。
彼女と知り合ったきっかけはイエローの紹介で。
修行中に声を掛けられて、その時イエローの隣にいたマヨ。
彼女は人見知りで最初まったく話してくれなかった。
それからたまに彼女の姿を見かけるようになって、イエローの友達だからと声をかけ。
そのうちマヨは少しずつ話してくれるようになった。
オレがリーグで優勝した話をしたら、すごいと笑って褒めてくれた。
初めて見た彼女の無表情以外の違う表情。
笑顔がすごく可愛くて、今思えば一目惚れのきっかけかな。

それからオレは彼女をずっと見てきたんだ。
マヨのことが知りたくて、イエローにもたくさん話を聞いた。
多分他の人……グリーンやブルーにはバレバレだったと思う。
二人きりのときは同じベンチに少し離れて座って、絵を描くさまを横で見ていた。
風景や花を描いているときもあるけど、一番多いのはイエロー。
イエローが修行中の背中やチュチュと遊んでいるところ。
どの絵のイエローもイキイキしていて、明るい絵だと思う。
でもそれが、オレは少し……いや、かなり嫌だった。
だってマヨのスケッチブックには一番以外の人間は描かれていない。
つまり、彼女のスケッチブック、世界はイエローで構成されているということ。
……まるでオレは眼中にないみたいに。
それだけは嫌だ。
だってオレはマヨが好きなのに、一方通行は……さすがに堪える。




……でもオレは思うんだ。
もしかしたらオレだけかもしれないけど。
マヨとイエローは親友と言うけれど、本当は違うんじゃないのかって。
だって、マヨのイエローを見るその瞳は、オレと……

同じ、恋焦がれる …

オレだって信じたくない。
イエローは一番大切な親友って笑うけど、マヨは違う。
切なそうに笑って、オレはその表情に魅入って。
きっと彼女はイエローが好き、イエローもマヨが好き。
でもきっと二人の好き、は違う好き。
いくらオレが話し掛けても、彼女はイエローのことしかないんだから。
好きな人に好きな人がいる絶望感に打ちのめされるオレ。
しかもライバルがイエロー。
冗談だろ、とも問い詰めたいけど……相手に想いが通じない気持ちは痛いほど分かる。
それを思うと、マヨを笑うことなんて出来ない。
いつだったか……彼女に一度訊いたことがある。


「マヨはイエローの絵をよく描くよな」

「はい。……今ある瞬間を大切にしたいんです。
こうしてイエローと一緒にいられる日常が永遠であると、言い切れませんから」


絵にすることで瞬間を記録しているのだと言っていた。
もしかしたらマヨは自分の気持ちを言うつもりはないのかもしれない。
それでも、イエローはいずれ彼女から遠ざかってしまうかも分からない。
だから今はこのままで。
マヨは切り取られた時間の中で生きると決めた。
そんな彼女をオレはすごいと思うし、何か違うとも感じる。
このままでいいのだろうか?と思う疑問はきっと自分自身にも対する問い掛け。
でも傷ついて、今の日常に戻れなくなるのは怖いから。

何が間違ってるかなんて分からない。
オレはマヨが好きだ。
マヨはイエローが好き。
…イエローの好きな人はマヨじゃない。
永遠に続く連鎖は、果てしなくオレらを繋ぎ止めるのだろう。





ベクトルの輪



百合ヒロイン
スペレ片想い
甘さの欠片もない
片想いで苦悩する個人的萌ポイント

そんな歪んだ愛で構成されたサイトだから歪んだ夢しかないんだよ。
現に両想い設定の小説を書いたことがない(←
最近今さらになって気付いた。
でも書けないもんは仕方ない(開き直るな)
誰が可哀想ってレッドだよ。ごめんレッド。





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -