「…?」
「……違う、ルビーのせいじゃない。
分かってる、ルビーは何もしてないって」
「マヨ……」
「本当に悪いのは、ルビーに追い付けなくて悔しかった私。
ルビーに嫉妬して、認めたくなくて、逃げたの。
いつか置いていかれるんじゃないかと思うと怖くて、それで…」
「それはボクも同じさ」
「え…?」
「ボクらはいつもケンカしてばかりで、もしマヨに気になる人でもできたら、と思うと余計に突っ掛かった。
ボクだけを見て欲しかったから」
「ルビー、それって……」
「ボクはマヨが、ずっとずっと好きだったから。
マヨは……ボクのことが、」
ルビーが先を言う前に、そっと口止めして背中に手を回した。
素直になれない私の精一杯の行動。
恥ずかしくて顔も上げられない。
そんな私に気付いたのか、クスリと笑う声がしてルビーの手が背中から離れると。
脇腹をくすぐられた。
「っや、ちょっ…やめ!くすぐったい!!」
「やっとボクを見た」
「!」
「ちゃんと言ってくれなきゃ分からないよ」
「あ、う…」
「ん?」
「私も、ルビーのことが…………すき…」
「やっと言ってくれた」
ぎゅー、と抱き締められる。
でもさっきとは違う、温かくて愛しいぬくもり。
私もルビーをぎゅっと抱き締めて笑った。
「ところで今度はグリーンさんとお手合せをお願いしたいんだけど」
「……それ、今言うかな」
(レッドさんの時も)
(焦がれる嫉妬に狂わされたんだ)