私はずっと彼があの人を好きだと思っていた。
彼の相棒と同じルカリオを使う気高く美しいチャンピオン。
なぜ彼女がルカリオを使っているのかなんて理由、知らなかったけど彼と彼女が仲良く喋っているのを見て確信した。
それは私にとって絶望的なこと。
気付いた瞬間、目の前が真っ白になり、何も考えられなくなって、涙が一つ無意識に零れた。
同時に悟る、「私は失恋したのだ」と。
想いを告げることさえままならなくなったのだ。
目に見えて分かり切っている答えを自ら出して、傷付くことが嫌だった私は……逃げた。
気持ちに蓋をした。
彼に対する好きは、みんなと同じなんだと自らに言い聞かせて。
でも気持ちはどんどん沈んでいく。
自分で浮上することさえ、もはや困難になっていた。
どん底まで落ちた私は、光すら恐れた。
自分に関わる全てが嫌になった。
だってどれもこれも、必ず彼が関わっていたから。


海へ繋がる運河を眺めるのが好きだった。
鋼鉄島へ渡る船が出ていたから。
(もしかしたら彼に会えるかもしれないと期待した)
街に出れば、強いトレーナーの噂話に上がるトウガンさんと彼の名前。
(噂を耳にするたび、聞き耳を立てていた)
幼なじみのヒョウタはジムリーダーを務めている。
(幼い頃、トウガンさんがジム戦をしていたときに、よく一緒に相手をしてもらってた)
多分私の知るかぎりのもので全て彼が関わっている、だから惹かれたのかもしれない。
……でも私じゃ駄目だった。
彼と彼女はとてもお似合いだと思う。
美男美女のカップル、見た目麗しいことこの上ない。
私はゲンさんが幸せになってくれたらそれでいい、とか。
すっぱり諦めて良い恋だった、と過去形にすることもできない所謂出来た女にはなれないから。
だから踏ん切りが着くまで鋼鉄島に行くのは止めておこうと思います。
だから、あなたに会えるまでもう少し待ってください。
(この想いが癒えるまで)





「マヨ、君が鋼鉄島に来るのを待ってるよ」

もちろんルカリオも。


でも、そんな暗闇に沈む私を引き上げてくれたのは、紛れもなくあなたでした。
(ねえ、少しだけ期待してもいいのかな?)





「深海少女」by初音ミク
何だか中途半端で申し訳ないorz
ノリで書いたから展開が浮かばなくてさあ!←言い訳


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