【拍手お礼:新一ver.】
「なぁ、なまえ!いい加減機嫌直せって!」
『知らない!着いてこないで!
蘭、新一追っ払って!!』
「もう、新一!なまえが嫌がってるじゃない!!」
「オメーには関係ねぇだろ!これは俺たちの問題なんだよ!!」
只今あたしたちは絶賛喧嘩中です。
え?なんでかって?
それは今日の昼休み、いつの間にか教室から居なくなった新一を探していた時のこと。
裏庭で告白されてる新一を見つけた。
それだけならよくあることだけど
(あたしという彼女の存在があっても気にしないヤツは気にしない)
フラれた(と思う)名前も知らない彼女は新一にキスをして、あたしを見つけるなり勝ち誇ったような表情をした。
ブチ切れたあたしは彼女を無理矢理引き剥がした後で、新一に向かって
『新一のバカ!もう知らない!!』
と叫んでその場を後にして、冒頭に戻る。
「なぁ、あれは誤解だって!」
『は?何処が?キスされたんでしょ?』
「だから、俺からキスしたわけじゃ」
『でもキスはされたのよね?実際は喜んでたんじゃないの?』
一人でそそくさと帰ろうとしたのに、あっさり新一に捕まってしまった。
あたしの不機嫌指数は未だに下がることを知らない。
「なまえっ!いい加減こっち向けよ!」
『嫌だ!離し…んっ!?』
こいつ無理矢理自分の方にあたしの顔を向けさせたと思ったら、実力行使で黙らせやがった!
抵抗しようにも後頭部を押さえられていて逃げられない。
酸素を求めてあたしが口を開いたのをいいことに、新一の舌が入ってきて、段々と深くなる口付けに苦しくなって新一の胸を叩く。
『ハァハァ…いきなり何すんのよ!?』
「やっと俺のこと見たな」
睨み付けたのに、どこか嬉しそうにしてる新一が腹立つ!
「こうでもしねぇとオメーずっと俺を避けてただろ?あんなとこ見られちまったんだから、怒られんのはしゃーねぇけど、なまえが一切こっち見ねぇのは結構キツイんだよ」
『…』
「だから、怒るんなら怒るでちゃんと俺のこと見てくれ」
頼む、と言った新一の傷ついた顔を見たら怒りが一気に冷めてしまった。
ホントにあたしはこの顔に弱い。
『パフェ…』
「え?」
『この前、新一と食べに行ったチョコパフェ奢ってくれたら許す』
途端に嬉しそうに笑った新一はじゃあ行くかとあたしの手を握って走り出した。
有名人な彼氏を持つのも楽じゃない。
だけど、いつも余裕ぶってる新一を振り回せるのはあたしだけってことで今回は許してやるとするか。
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