2月も半ば。
暖かい日と寒い日が交互して、昨日は本当に珍しく雪が積もるほどにずっと吹雪いていた。
今日も寒くなるのかと思ってたら、昼間はぽかぽかと暖かくて、絶好のお散歩日和。
まぁ、夜になると冷え込むのは何時も変わらないけれど。
『連絡まだかなぁー…』
もうすぐ日付も変わる時間。
あたしは音楽を聞きながら、暇つぶしに雑誌を読んでいたけど、時折携帯を覗くという行為をここ何時間か繰り返していた。
そしてついに気になって仕方なくなってしまったあたしは、携帯を開いたまま画面をじっと睨み付けてみる。
こんなことしたって連絡が早まるわけではないのだけど、今日みたいに連絡が遅くなる日は不安が増してきて胸が苦しくなるんだから仕方ない。
『新一、怪我してたりしないよね…?』
呟いた瞬間に彼専用の着うたが流れて、反射的にベッドで身体を起こして、通話ボタンを押す。
「もしもし?なまえ?」
何時もと変わらない新一の声に安心する。
『新一、お疲れ様!』
「おー。ってかいつも言ってっけど、オメー待ってなくて眠っちまっていいんだぜ?眠いだろ?」
『いつも言ってるけど、新一が事件現場行く時はちゃんとお疲れ様が言いたいからいいの!』
「オメーも頑固だよな」
電話越しでも新一が苦笑しているのが分かる。
でも、これだけは譲れないんだ。
『だって…』
「ん?」
『新一、事件ってなると周りが見えなくなっちゃうから、無茶して怪我してないか心配なんだもん…』
「…」
本当に情けない。
新一を信じていない訳じゃない。
けど、きっと無事だよなんて思ってもどうしても不安が消えない。
怪我してたらどうしよう?とか
何かあったらどうしよう?とか
『新一が頑張ってる時に、あたしだけ寝るとか出来ないよ』
「ったく、ホントなまえには敵わねぇな」
『え?』
「今そっち向かってっから、もうちょっとだけ起きてろよ?」
『うん?新一家帰んないの?』
「なまえが可愛いこと言うから会いたくなっちまったんだっつーの」
『なっ!?』
何言ってんの!?
って言葉が出なかった。
もう首まで赤いんじゃないかってくらい、顔に熱が集中してる。
付き合い出してしばらく経つけど、あたしは未だに新一に免疫が出来ないらしくすぐに顔が赤くなる。
もう…あんなこと言うなんて反則だよ。
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