あたしは何で新一に腕を引っ張られてるんだろう?
『ちょっと、新一どうしたの?』
「何が?」
『何か怒ってるでしょ?』
「怒ってねーよ」
『じゃあ拗ねてる?』
何で?あたしが拗ねたいんだけど…
「オメーが何か言いたいんじゃねーのか?」
『何を?』
「だから、その…」
『その?』
「怒ってんじゃねーのか?」
『怒ってはないけど、泣いてはいた』
「だろーな。まだ、涙が残ってる」
そう言ってあたしの涙を指で拭ってくれた。
「で、オメーはくれねーのか?」
『…あんなにたくさん貰ったんだから、あたしのなんて要らないんじゃないの?』
「バーロー。オメーから貰わなきゃ意味ねぇんだよ!」
ちょっとだけ頬を赤くしてそっぽを向いてた新一が、あたしを真っ直ぐに見てきた。
あたしの大好きな全部を見透かすような真剣な新一の瞳が、あたしを映してるのがどうしようもなく嬉しくて、さっきまでのモヤモヤしたキモチが一変に吹き飛んだ。
うん。あたしってゲンキンだと思うけど、恋なんてそんなもんだよね?
『新一、ハッピーバレンタイン!』
「サンキュな」
『ね、新一…』
「ん、どうし…!?」
『へへっ///』
不意打ちで頬にキスしたら、お互い顔が真っ赤になった。
「なまえ」
真剣な瞳であたしを見る新一の顔がだんだんと近くなって、あたしが瞳を閉じると唇に幸せなあったかさを感じた。
大好きな友だちに
愛してるあの人に
ハッピーバレンタイン!!
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