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02



『静華さん。ご飯のお手伝いさせて下さい』
「なまえちゃんはお客さんなんやから、気にせんでええねんで?」
『あたし、普段一人暮らししてるんでじっとしてるの落ち着かないんです。邪魔やなかったら、静華さんのお料理勉強させて下さい』
「一人暮らしって…なまえちゃん家族はどないしたん?」
『居りません。あたし一人です。でも、今は仲良うしてくれるご夫婦が居るんで寂しゅうないですよ?そのお家にお泊まりさせてもらってる時も一緒にご飯作らせてもろてるんです』
「なまえちゃん…せやったら一緒に作ろか?」
『はいっ!』


アニメで知ってたけど、静華さんてホントに美人だよなぁ。
有希子さんが華やかしいんだったら、静華さんは凜としてるって言うか…。
二人ともホントに中学生の母親ですか?ってくらいに見た目も若いしね。


「コラ!オバハン!何なまえに手伝いやらせとんねん!」
『服部くん、違うんよ。うちが一緒に作りたいってお願いしてん』
「なまえちゃん料理の手際もええし、ホンマどっかのアホな息子と違うてしっかりしてるし、娘に欲しいくらいやわー。平次、あんたホンマにこの子と同い年なんか?あんた、えらい中身が子どもやなぁ。ホンマ、誰に似たんやろ?」
「このオバハン…言わせておけば言いたい放題ぬかしよって…ええ加減にせぇよ!?」


再発した母子喧嘩を繰り広げながらも、テキパキとお料理を作ってしまう静華さんに密かに感激してます。大阪に住むってこういう器用さとこのパワーが必要なのかしら?
…あぁ、パワフルなのは有希子さんも一緒か。
え?母親ってそういうもんなの?
それならあたし絶対母親になれない気がする…。


「なまえ?どないしたんや?ボーッとしとるけど調子でも悪いんか?」
『ちゃうちゃう。仲のええ親子やなぁ思うて、羨ましかっただけやて。ほら、うちがよう話しとる作家先生おるやろ?その先生んとこにも服部くんと同い年の男の子がおるんやけど、お父さんとお母さんとめっちゃ仲ええねん。せやから、いっつも家族ってこんな感じなんかなぁ思うてて』


あぁ、あたし何言ってるんだろう。
あの時、新一にも言ったのにな。
あたしが無い物ねだりしても仕方ないって。
そしたら、先生と有希子さんはあたしに居場所を作ってくれて…。
思い出したら涙出て来ちゃった。
あの時はホントに嬉しかったんだよなぁ。


「こんなオバハンでよければ熨斗つけてくれたるさかい、そんな顔しぃなって。なまえは笑うてる方が似合うねんから」
「せやで。なまえちゃんが娘に来てくれるんやったら、こんなアホな息子放ったるさかい、そんな顔せんとき。若い娘がする顔ちゃうで?」


あぁ、どうしてこの世界の人たちはあたしなんかにこんなに優しくしてくれるんだろう?
また、あたし嬉し泣きしちゃうじゃないか。


『服部くん、静華さん、ホンマにありがとう』




【新しい家族】

「なまえが作った料理、めっちゃ美味いやんけ!」
「せやろ?ホンマに娘に欲しいわ。なまえちゃん、このまま大阪住まへんか?」
「それええな!どや?家なら部屋余ってるさかい、このまま住まへんか?」
『え?おじ様の意見は…』
「こんな可愛い娘さんやのに反対するわけないやないの!」
「せめて大阪来た時は和葉のアホんとこやのーて家に泊まり!な?」


なんだか、あたしには大阪に新しい家族が出来たみたいです。


→懺悔室(あとがき)

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