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01

最近、俺が気になっとるヤツがおる。

剣道部が試合や言うと友だちらしいヤツらと何人かで応援に来とるヤツ。

名前も知らんけど、学校ですれ違うことがあるからたぶん同い年やと思うんやけど。

「コラ!服部!今は試合に集中せんかい!」
「すんません」

でも視線はあいつを追ってまう。
女のコらしいっちゅーよりは中性的ななんか不思議なヤツ。

いつもつまらんそうに試合見とるけど、面倒見はええみたいで、後輩の為にあれこれしてやってんのを見たことがある。

そん時は優しそうなキレイな笑顔しとって…
だーもうっ!
あいつが気になってしもて試合どころやないわ!

「なぁ、お前あいつの名前知らんか?」
「どの子や?」
「最前列でつまらんそうに試合見とるヤツや!」
「なんやみょうじか。俺のクラスにおんで?」
「みょうじ言うんか?」
「みょうじ なまえ。クラスでもいっつもあんな感じやで。それがどないしたんや?」

こいつのクラス、確か俺らの隣やったよな。
今度教室寄ってみよか。

『また服部くん事件解決したんやって!』
「なまえってホンマにミーハーやよな」
『うっさいわ!事件解決して新聞乗るなんてカッコええやんか』
「うちは工藤くんの方がカッコええと思うけどなぁ」
『あいつはうちの趣味ちゃうねん。なーんかキザでいけ好かん』

教室来てみたんはええけど、なまえが俺の話題をしとったから何か入りずろーて廊下に座って聞き耳たてとった。

とりあえず工藤に勝ったんによっしゃーっとガッツポーズしてもうたけど。

「服部、お前こんなとこで何しとるんや?」
「アホ。バレてまうやないけ!」

剣道部のヤツが廊下に座り込んでる俺を見つけて声かけてきたから、有無を言わさず引きずり下ろした。

「でもなまえ剣道の試合ん時はつまらんそうに見てるやん」
『そやかて、剣道って顔が見られへんやろ?』
「そんだけ?」
『そんだけ。試合終わるまで顔見られへんとかつまらんやん』

これは俺に興味を持ってくれてる、思うてええんか?
何で同じクラスやないんや!
同じクラスやったら自然と話しかけられんのに!

「みょうじー!噂しとったらその服部がこんなとこにおんでー!」
「アホか!お前何言うてんねん!」

あ。思わず立ち上がってしもた。
どないしよ。

とりあえず、自然に仲ようなるとこからスタート、か?

「俺、服部平次言うねん」
『知ってる。自分新聞乗ってるやん』

ツン?
ってことはたまにデレが見れるんか?

まぁ、それも楽しみにしとこか。


【まずは自己紹介から】

近付いていこうやないか。


→あとがき
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