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- ナノ -
01
学校へ行こうと玄関を開けると何故か幼なじみがいた。

「おはよー、新一」
「はよー、なまえ」

催促するように手をだしてきた新一に今年もか、と思った。

「あのねー毎年毎年言ってるけど、バレンタインは女のコにチョコを催促する日じゃないのよ?」
「言われなくてもわーってるよ!」

毎年恒例のやりとり。いつもは蘭が迎えに行かない限り遅刻ギリギリで学校に行くクセに、バレンタインの朝になると決まってうちの前であたしが出てくるのを待っている。小さい時は不思議に思いながらもチョコを渡していたが、まさか高校生になっても続くとは思ってもいなかった。

「はい。ハッピーバレンタイン」
「サンキュー!」

この笑顔が昔から大好きだから、あたしも何も言わず笑顔になる。

「ほらよっ」
「えっ?」
「逆チョコって流行ってんだろ?」

急に放り投げられたラッピングされた小箱を反射的に受け取る。事件にしか興味ない新一が逆チョコとか信じられない。

「これゴディバじゃん!」
「お前それ好きだっただろ?」
「新一大好き!」

さすがお坊っちゃまは違うとなかなか食べれないゴディバのチョコにテンションが上がって新一の腕に抱きついたら、照れたのかそっぽをむいて少し頬を赤くして空いてる手で頬をかいていた。

「じゃ、あたし学校行ってくるから。これ蘭と園子に渡しといてね」
「おぅ」

中学まで仲良かったこの4人の関係は、あたしが別の高校に行ってしまってからも続いていた。
あたしたちの絆はそう簡単には壊れないんだと思うと素直に嬉しい。

「あーちゃん、おはよー」
「なまえちゃん、おはよー」
「「はい、ハッピーバレンタイン!」」

朝一番に出会った、高校に入って仲良くなった青子に友チョコを渡す。
青子も準備してたとか、やっぱりあたしたちは気が合うのかもしれない。


「青子ずりぃ!なぁなまえ、俺にもくれよ!俺にも!」
「はい。快斗の分もちゃんとあるよ」
「っし!サンキューな」

快斗は新一とどこか雰囲気が似てて、しかも声まで似てることに入学当時は本当に驚いた。
まさかバレンタインにチョコを催促するところまで一緒だとは思わなかったけど。
こいつら実は血縁関係なんじゃないかと真剣に思う。

でも、まぁ今日はバレンタインだし。


大好きな友だちに
かけがえのない人たちに
感謝の気持ちを込めて幸せが届けとチョコに想いを込めて。

ハッピーバレンタイン!!




→あとがき
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