今日は七夕。織姫と彦星が唯一逢える日。しかし、毎年決まって雨か曇り。今年もやはり雨だ。
なまえがボーッと空を眺めていれば後ろからふと感じた温もりにびっくりして振り返ればそこには笑顔の新一がいた。
『どうしたの?そんなニコニコして』
新「オメーが悲しそうな顔してっからだろ」
『私が?』
新「おう。どうした」
『んー、今日七夕でしょ?私がこの日に生まれたから雨なのかなって』
新「はぁ?んな訳ねーだろ」
『そう、だよね!』
新「オメーは心配しすぎなんだよ」
『そうかなぁ』
新「そうだなまえ、目瞑れ」
『なんで?』
新「いいから」
『わかった』
なまえは新一の突然の言葉に戸惑ったが素直に従う事にした。
目を瞑ってれば何やら金属音がした。かと思えば、指にひんやりと冷たい感覚。一瞬びくりとしたなまえだが目を開いた次の瞬間暖かいものが頬を伝った。
新「泣くなよ」
『だって、これ』
新「なまえが俺のものって証拠」
『新一っ!』
なまえは嬉しさのあまり新一に抱きついた。抱きつかれた新一は満更でもない表情だ。
彼が渡したモノ、それは小さなシルバーリング。つけた場所は勿論、薬指である。
新「俺はオメーを一生愛すから。今はまだ学校とかあるけどよ、卒業したら結婚しねぇか?」
『うん!』
二人は笑いあう。暫くの沈黙が続いたが新一が言葉を発した。
新「忘れる前に、誕生日おめでとうなまえ」
『新一、素敵なプレゼントと素敵な日をありがとう!』
新「ああ」
二人は再び笑いあった。いつの間にか雨は止んで夜空には綺麗な天の川が流れていた。
「I promise love forever」
君を永遠に愛すと誓おう。
→感想
_27/34