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続・狙うは君との時間




ったく何だよ。デートって。
あいつあの名探偵と付き合ってたんじゃねーのかよ。
何で毎回毎回邪魔されんのは名探偵の親父なんだよ…。
と、ふてくされながら歩いていたら噂の名探偵が前から歩いて来た。


「ったく、何でオメーがついてきてんだよ!」
「ええやないか。最近工藤のおとんとデートや言うてなまえが構ってくれへんねんから」
「バーロー!それを言いてぇのは俺だっつーの!!なまえデートに誘おうと思ったら、いつの間にか父さんが約束取り付けてたり事件と重なったりで、なかなか二人きりになれねぇんだから!」
「せやから、これから二人つけんねやろ?途中でなまえ奪還して、遊びに行こうや」


なんか面白くなってきたじゃねーか!


「よぉ!名探偵!」
「誰や?こいつ」
「確かなまえのダチの…」
「俺、黒羽快斗ってんだ。よろしくな」
「んで?オメーが俺に何の用だよ?」
「面白そうな話してっから俺も混ぜてもらおうと思ってよ」
「はぁ?何でオメーまで連れて行かなきゃなんねぇんだよ?」
「堅ぇこと言うなって。そっちの色黒の兄ちゃんだって一緒に連れてく予定だったんだろ?なら連れが一人増えたって変わんねーじゃん」


ってなわけで、俺は無理矢理名探偵に納得してもらってなまえと名探偵の父親とのデートをつけることにした。


『先生!お待たせして申し訳ありません!』
「いや、私も今来た所だから気にしなくていいよ」
『でも先生、相変わらず早いですね。先生お待たせしないように今日は結構早く出てきたつもりなんですけど…』
「なまえ君の考えてることくらい分かるさ。さぁ、行こうか?」
『はい!』


男三人で動くって結構むさ苦しいな…。
にしても、


「なまえめちゃくちゃオシャレしてんじゃん」
「俺もあんななまえ見るん初めてやわ」
「…父さんとのデートの時は気合い入れて支度してんだとよ」


何だよ、それ。
もしかして名探偵と付き合ってるってのは建前で、本当はあの作家先生目当てなんじゃねぇのか?


「何してんねん!なまえ行ってまうやないけ!」
「悪ぃ。今行くって」


とりあえず今はあの二人を見失わないようにしねぇとな。


「なんや、仲良さそうに手ぇ繋いでんな」
「まだ腕組んでないだけマシだぜ?あの二人が腕組んで歩いてっと密着し過ぎるから速攻で止めに入る羽目になっからよ」
「なぁ、名探偵」
「んだよ」
「お前、ホントになまえの彼氏?」
「は?」
「いや、今の話聞いた限りじゃあの作家先生の方が彼氏っぽ」
「その先は言うな!俺も片思いだったころからしょっちゅう思ってたんだから」
「工藤、お前苦労してんねんな…」


目下の敵が自分の親父とか俺だったら泣けてくるね。
なんか名探偵が哀れになってきたわ。


「なぁ、なんかすっげー美人なおばさんとこに行くみてぇだぜ?」
「げっ…今日母さんまで一緒なのかよ」
「あれ、工藤のおかんなんか!?」
「今日は辞めようぜ。母さんまでいるんじゃ絶対なまえ離してくんねぇって」
「名探偵、オメー」
「もう何も言うな。寧ろ何も聞きたくねぇ…」
「…」
「…」




【続・狙うは君との時間】

「片方ずつでも厄介だってのに二人一緒じゃ絶対無理だって」
「あーあ。和葉らと一緒に大人しゅう出掛けとけば良かったわ」
「なら、これから合流すればいいんじゃね?俺も青子とどっか行こ」
「じゃあ、今日はこれで解散やな」

「おぅ。機会があればまたな。名探偵、元気出せよ?」
「っせーよ!!」




→あとがきと言う名の反省会

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