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04.ガールズトーク


昨日、工藤邸にお呼ばれして、上がりっぱなしだったテンションもやっと一段落した。

今日から平日、つまりは毎日学校がある、というわけで、入学当時は中学生の勉強内容なんて綺麗さっぱり忘れてしまっていたから焦ったけど、思い出してみると簡単過ぎてつまらない。

つまりは学校での楽しみはイケメン=工藤新一の観察と、その幼なじみとの痴話喧嘩だったりしているあたしである。


「なまえちゃん、今度は何読んでるの?」

『ん?好きな小説家の洋書だよ』

「洋書!?なまえちゃん英語読めるの?!」

『んー普通に困んない程度には読めるし、この本も面白いよ?』


隣の席の明日香は何かと話しかけてくる。

まぁ、あたしが一人でいるからなんだろうけど、小説を読んでる時には邪魔にならないように気を遣ってくれる優しい子だ。


「なまえ!ごめん、次の数学で習うとこなんだけど、どうしても分かんないところがあってさ。教えてくれないかな?」

『蘭が分からないなんて珍しくない?いいよ。何処が分かんないの?』


小説に栞を挟んで机の中にしまい、休憩時間は蘭への勉強会へと変化した。


「ここなんだけどね、どうしてこの数式からこうなるの?」

『ん?あー、ここはこの式使ってこうやるの。で、この式にこれを代入すると…ね?出来ちゃうでしょ?』

「あー!ホントだ!なまえありがとう!やっぱりなまえに聞くと分かりやすく教えてくれるから助かるよ!」

『あたしでよければいつでも勉強教えるよ。でも彼氏くんに聞いても教えてくれるんじゃない?』

「彼氏?あー、違う違う。あいつはただの幼なじみ!それにあいつに聞いたらそんなのも分かんないのかよ?ってバカにしてくるから絶対イヤ!」

『まぁまぁ、落ち着いて。頭いい人って自分の中だけで自己完結しちゃってるだけだって』


席に戻ってく蘭を見ながら、あんなに態度に出てるのにどうして付き合わないのかが謎で仕方なかった。

蘭が新一を見る瞳って恋する乙女の瞳なのに。
あれか?新一がヘタレで押しが弱いのか?
まぁ原作でもアニメでもそんな感じだったけどさ。

中学生ならまだしも、あいつら高2になってもこのままなんだから不思議だよねぇ。

いっそのこと蘭から告白しちゃえばいいのに。


なんて他人事だからこんなこと言えるんだけどさ。


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