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31.宴の後の日常


文化祭の劇も終わって、一年生は片付けだけだったから当日の内にやることが無くなってしまった。

つまりは文化祭の後片付けの為の振替休日が自由になるってことで。
となればやることは一つ!


『園子!あんた、あれだけあたしを晒し者にしたんだから、何か奢りなさいよね!』

「はいはい。分かったわよ。じゃあ、蘭も誘って、新しく出来たケーキ屋さん行こうよ」


蘭が一緒なのを断る理由なんてあるはずもなく、あたしは二つ返事でOKした。

当日の集合場所は近いからって理由でいつものカフェの前。
これって営業妨害じゃないの?


「園子ー!なまえー!お待たせ!」

『あたしたちも今来たとこだから平気だよ』

「じゃあ早速行くとしますか!」


何故か甘いもののこととなるとテンションが上がる園子。
あんた、文化祭で完全燃焼したんじゃないの?


「今日はなまえにいーっぱい聞きたいことがあるしね!」

『あたしは蘭に聞きたいことがあるんだけどなぁ』

「えっ!?私!?」


移動中もやっぱり始まるのはガールズトーク、かもしれない。
でも、本題に入る前にケーキ屋さんに着いてしまった。


『わぁー。可愛いケーキがいっぱい!』

「どうせなまえのことだから、気になったの食べてみて、自分でアレンジして作るんでしょ?」

『何で分かったの?』

「あんたの行動見てれば分かるわよ。自分の好みより、気になったケーキいつも選ぶじゃない」

『はは、バレてたのか。すみませーん。珈琲に合うケーキってどれですか?』

「それでしたら、こちらとこちら…それにこちらも人気ですよ」

『んー、どれにしようかなぁ』


どれも有希子さんが喜びそうな感じだけど。


「それ、全部取り置きでお願いします」

『園子?』

「なまえには結構迷惑かけちゃったからね。あたしからのプレゼントよ。今日は好きなの食べなって」

『んー…じゃあこれのケーキセットで』

「かしこまりました。お席についてしばらくお待ち下さい」


あたしがケーキを選んでる間に園子も蘭もお目当てのケーキを注文してたみたいで、そのままオープンカフェの席まで3人で歩いて行った。

もう秋特有の寒くも暑くもない過ごしやすい涼しい風が吹いてるから、外で過ごすのが心地いい。


『それで?あたしに聞きたいことって?』

「それは長ーくなるからケーキが届いてからね」

『もう気になるなぁ』


なんて言いつつも久しぶりの女のコの集まりだから、他愛ない会話が楽しかったりする。
最近ずっとジュリエット様だったから、何か解放感があるんだよね。


『わぁ!園子のケーキも蘭のケーキも美味しそう!』

「そういうなまえのケーキだって可愛くて美味しそうだよ?」

『うん、これは見た目重視で選んだからね』


それじゃあ、いただきまーすと最初の一口を口に入れるとマロンの甘味が広がって、幸せな気分になった。
やっぱり秋と言ったらマロンでしょ!

セットのドリンク紅茶にしといて良かった。
これは珈琲より紅茶が合うわ。

園子も蘭も見た目に負けずに味の方も良かったみたいで、幸せそうな顔をしてた。
やっぱり女のコに甘いものは欠かせないよね。


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