「新一、園子、何話してるの?」
「蘭、聞いてよ!新一君たらまたなまえ怒らせたんだって!」
「またぁ?!ちょっと、新一!今度は一体何したのよ!?」
「俺は何もしてねぇよ!」
「嘘!」
「嘘じゃねーって!」
「まぁ、新一君が来るなりあたしのとこから逃げる程度のことしかしてないのよね?」
「やっぱりなまえに何かしたんじゃない!」
「だから俺は知らねーって言ってんだろ!」
「あっ!ちょっと待ちなさいよね!新一!!」
逃げるようにどこかへ行った新一君とそれを追っかけてった蘭を見て、あたしも席を立ってなまえの元へと向かった。
やっぱり、あの夫婦はからかって遊ぶのに最適だわ。
『あれ?園子、工藤くんは?』
「夫婦喧嘩中よ」
『またぁ?あの二人よく飽きないわね』
「今回はあんたが原因なんだけどね」
どういうこと?と、きょとんとして首を傾げてるなまえを見て笑い出しそうになった。
なまえって意外と鈍感なのかもしれない。
「なまえがさっき新一君から逃げたから、蘭に新一君がまたあんたを怒らせたって吹き込んでやったのよ」
『え?あたし何もされてないわよ?』
ただ昨日の今日で工藤くんを間近で見るのが照れくさかったってだけで。
「知ってるわよ。ただ面白そうだったから言っただけだもん」
『…工藤くん、ご愁傷様』
遠くで聞こえた蘭の気合いの入った声と、新一君の悲鳴を聞きながら、なまえが心底哀れんだ表情をした。
その後、なまえの元に来た蘭にあたしとなまえの二人がかりで説明して新一君の疑いが晴れた頃にはお昼休みが終わってしまっていた。
そんな楽しい休憩時間。
あたし、なまえと新一君って組み合わせでも遊べるんじゃないの?
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