蘭がいなくなって、休憩時間もまだあるし、もう一回本でも読むかーって思ってたら別の来客が来たせいで、机の中の本に手を触れることさえ出来なかった。
「なまえーっ!ヘルプヘルプ!この問題教えて!あたし当たりそうなのよ!」
『園子は自分で解こうとしないからダメ。一回やってみて無理ならまたおいで』
「ひっどーい!蘭には教えてたのに!!」
『蘭は園子と違ってちゃんと予習してるの。園子も見習ったら?』
「そういうなまえはどうなのよ?」
『何が?』
「予習!してるの!?」
『え、しなくてもわかるし』
「こんにゃろ〜」
『ちょ、ちょっとストップ!髪乱れるから!』
「じゃあ教えてくれる?」
『もう…じゃあ解きながら教える!それでいいでしょ?答えだけ教えるなんて園子の為にならないことはしないからね』
「なまえ大好き!」
『はいはい。休憩時間、残り少ないんだからすぐ始めるよ』
抱き締めてきた園子を引き剥がして、髪を整えながら問題を見る。
園子はやれば出来る子だから、要所要所でポイントを教えるだけで解けてしまった。
もう、初めから自分ですればいいのに。
なんて思いながらも、教えてしまうあたりあたしは園子に甘いんだろうな。
だって原作でも好きだったけど、園子って何か憎めないキャラしてるんだよねぇ。
「すっごーい!解けちゃった!あたしって天才!?」
『ね?園子はやれば出来るんだから、めんどくさがらずにやればいいのに』
「あーあ、なまえがテストん時に隣に居てくれたら満点も夢じゃないのになぁ」
『それじゃあテストの意味がないでしょうが』
お気楽思考なお嬢様をコツンと叩いて呆れた目で見る。
教えてもらいながらテストの問題解くってどういう発想してるのよ。
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