「きゃはははは。そんなことがあったの?」
みんなでお昼にしようと海の家に行きしなにこれまでの経緯を話したら、園子に大爆笑された。
「あんたってホンっトにみんなに愛されてるのね!」
『愛してくれてるのは明日香と蘭くらいだよ』
「ちょっと、何でそこにあたしの名前がないわけ?」
『あれ?園子も心配してくれてたの?』
「あんたねぇ…ずっと帰って来ないなまえたちを誤魔化すのにあたしがどんだけ苦労したと思ってんのよ!?」
『ごめんごめん。ちょっとだけって思ってたんだけど、泳ぎ出したら止まらなくなっちゃったんだって』
「ったく。まぁ、済んだことだからもういいけど、昼からはあんたも付き合いなさいよ?」
『はーい』
「じゃあなまえちゃんはあたしとペアね?」
『もちろん!』
じゃなかったらあたし誰と組めばいいか真剣に分かんないし。
三人で楽しい昼食を取っていると痴話喧嘩をしていた二人も乱入してきた。
「あーっ!もうご飯食べてる!!」
「蘭が旦那と夫婦喧嘩してるって聞いたから先に食べてたのよ」
「もう!あんなヤツ旦那でも何でもないってば!」
珍しく照れ隠しじゃなく真剣に蘭に拒絶されてる工藤くんに一体何したんだ?
と視線を向ければ、バッチリと目が合ってしまった。
「みょうじー?さっきはよくも見捨ててくれたな?」
『え?何の話、かな?』
心当たりがバッチリあるあたしはその視線から逃れるように明後日の方向を見た。
「え?何なに?あんたたちも夫婦喧嘩?」
とえらく園子が楽しそうにしてたから、
『夫婦喧嘩なら蘭に熨斗を付けてあげるからあっち行ってくれないかな?』
と茶化すと工藤くんの腕が伸びてきて、思いきり首を固められた!
痛いけど苦しくないとかそんな絶妙な力加減なんて要らないから!
『ギブ、ギブっ!ホントにギブっ!!』
「さっきのこと謝るか?」
『本当に申し訳ありませんでした!』
なんて騒がしくしながら、あたしたちの夏の一日は過ぎて行った。
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