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文句たらたらで不機嫌さを隠しもせずに登校した入学式。
学校に近いマンションとかホント迷子にならずに助かるわーとか嫌味さえ心の中で呟きながら、人混みの中、クラス分けが張り出された紙から自分の名前を探していた。


『えーっと…みょうじ、みょうじ。あった。1‐Bか』


ってかクラスがABC表記とか慣れてないからすっごい違和感があるんだけど。


「蘭ー!中学でも同じクラスよ!やったわね!」
「ホントに?園子と一緒で良かったー!クラスどこだった?」
「B組だって!新一くんも一緒だったわよ。良かったじゃない!」


ん?蘭、園子、新一?
聞こえた声に振り返ると幼さ残るもののどこか見覚えのあるキレイな黒髪ロングヘアの可愛い女のコと茶髪のショートヘアの可愛い女のコが抱き合ってるのが見えた。

毛利蘭と鈴木園子!?
ちょっと待って。じゃあ新一って…

確認するまでもないことだけど、もう一度クラス発表の紙から名前を探す。
もちろん自分の名前じゃないけど。


『(B組って言ってたよね?)』


さっきから心臓がドキドキと煩い。
期待して何が悪い。
あたしは彼に会えないと思ってたから不機嫌だったんだ。


『あ、あった!ホントにあった!!』


工藤新一。
彼の名前が確かに同じクラスに存在していた。
彼の名前を見た途端に顔の表情が緩むのが分かった。


何だ!同じ年だったんじゃん!!
今まで文句ばっかり言っててごめんなさい!
ちゃんと仕事してくれてありがとう!!!


どこの誰だか分からないあたしをこの世界に連れて来てくれた人に初めてお礼を言いたくなった。


でも、一言だけ言わせていただきたい。
原作前なら原作前って言いやがれってんだ、コノヤロー!
それが分かってれば、ここ数日間も幸せに過ごせてたんだよ、バカヤロー!!


なんて文句を言いつつも溢れる満面の笑みが説得力を無くすけど。
早く生の工藤新一が見たくて、教室へと向かうあたしの足取りは羽が生えたように軽かった。


そんなあたしの2回目の中学生ライフ初日。




(くそー!幸せ過ぎる!!)





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