▽隠されたもの




それからいつの間にか私が運ばれていたのは、地下室。

そこにあったソファに寝かされる。


「黒白さん・・」

「心配しないで下さい、***。・・・くれぐれも、外には出ないように」

「はい・・」


そう言われては、大人しくしているしかない。
颯爽と立ち去って行く黒白さんの背中を見つめ、私はソファに座りなおした。

ここは地下室。
立ち入りを禁止されていた場所だ。
薄暗くて広いこの場所。
ソファとテーブルと最低限の家具だけ設置されていて、なんとも寂しい景色だ。


俄かに興味が湧いて、私は立ち上がった。


近くの衣装ダンスに近寄る。
それはとても古そうで、でもとてもおしゃれ。
所謂アンティ―クというやつなのかな。
引き出しの中を見るが、なにも入っていない。



「なんだ・・」



他の引き出しを開けてみるが、やはり何もない。

一番下の引き出しを開けてみる。
・・いっそのこと、全部引き出してみよう。
奥になにか隠されていたりして。


そんなことを思って抜き出してみると。



「え」



あった。

怪しい鍵穴が。

どうやらこのタンスの一番下の段の引き出しは奥が二重になっているらしい。




確実になにか隠してあるじゃないか。






「こういう時の本からの知識!」




私はそう声をあげながら周囲を見渡した。






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mae ato




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